「臭い…」
ポツリと溢した言葉は悲しいくらいに部屋を支配する紫煙と一緒に漂った。

「え?」

紫煙を吐き出す張本人はヘラリと笑った。
そんな橙色の髪の男、幼馴染みの佐助を睨んだ。

「え?ではないっ!それだっそれっ!」

お館さま人形を胸に抱き佐助のくわえた煙草を指差した。
佐助は、ああ、これね。と、苦笑し携帯灰皿へと入れた。

「これでいーい」

人のベッドへズルーリと乗っかって来た佐助の顔をペシリと叩いた。

「いたっ…酷いー」
「く・さ・い!近づくでない」

橙色の頭を押し退けようとしたが、意図も簡単にお館さま人形をベッドの横に追いやられた。

「ぬあっ!お館さまが」
「いーから……臭いとか侵害だなー俺様泣いちゃうよ」

スルリと頬を撫で顎を掬われる。
佐助の手つきにいたたまれなくなり、そっぽをむいた。

「こっちむーいて?」

すぐに顎を引かれ間近に佐助の顔。
怯みそうになるが今日のお館さまの教え(保健体育)が頭をよぎり、ニヤニヤ笑う顔に言葉を投げつけてやった。

「副流煙は赤ん坊にも悪いというのを知らないのか!」

そう叫ぶとニヤニヤした顔が今度は情けないほどの呆けた顔になり、幸村は眉をひそめた。

「え?」
「なんだ…授業を聞いておらぬのか?!」
「…聞いてた…けど……」

馬鹿馬鹿しい程口を開け見つめてくるので気がおかしくなったかと、声をかけようとした次の瞬間に発せられた言葉にこちらが呆けた。

「旦那…産んでくれるの?」
「は」

「俺の子」

暫く何を言われたかわからなかった。
しかし、再びニヤニヤと笑う佐助に幸村は顔を真っ赤にして叫んだ。

「っ!破廉恥佐助っっっ」


(馬鹿も大概にしろっ)
(えー、俺様結構真面目に聞いたんだけど…産んでくれるよね?)
(だからっ!俺は男だっ!!)


貴方のお腹で十月十日生きたかった



>>何これ。
現代幼馴染みエロスを書きたくて失敗。爆

竜弥




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