ジワリと足首が熱を持つ。いつの間にか足首を痛めていた様だ。
部員には気付かれないように足を地面にキチンと着けて歩く。ツキンと痛みが走るがなんてことはない。
家に帰ってから湿布を貼ろう。
そんなことを考えながら服を着ていたら、後から後から皆が帰っていく声がした。
いつのまにやら着替えているのは自分だけで、椅子に腰掛けている豪炎寺と目があった。

「あ、豪…炎寺…ちょっと待って、」
「足…」

ビクリと肩を上下させて、豪炎寺の言葉を理解する。
「あ…し?」
「…見せてみろ」

机の上に置いてある救急箱を自分に引寄せ中を漁る。そんな行程をボンヤリと見ていたら、少し機嫌の悪い目とかち合った。

「座れ」

自分が座っていた椅子を指差す。俺は言われるままに椅子に座る。
すると豪炎寺が俺の前に身体を屈め怪我をしている右足に優しく触れた。

「っ…」
「痛いか…?」

見上げられて直ぐに首を横に数回振った。痛いのではなくて、豪炎寺の触り方に少し敏感になってしまった。なんて恥ずかしくて言えない。

「腫れてる…捻挫だな」
「…ん」

大丈夫だよ。と小さく呟くと、豪炎寺は少し攻める口調で俺に言った。

「なんですぐに言わない」
「だって…」

大したことないじゃないか、舐めときゃ治るさと冗談っぽく続けると豪炎寺の眉間に一層皺がよった。
豪炎寺は救急箱から湿布と包帯を取り出す。湿布を患部の大きさに合わせて切る。沈黙が突き刺さる。

患部に冷湿布を当てられて冷たさに顔を歪める。すると直ぐに湿布を退けられて、次には生暖かいものが這わされた。
何が起こったのかと目を見開いて豪炎寺を見る。豪炎寺の髪で見えないが、自分はこの感触を一番よく知っている。

「ちょっ…やめ…ンンッ」

豪炎寺の頭を押し退けようと手を這わすが、豪炎寺の舌の動きに神経が麻痺する。
入念に患部を舐めてやっと離されたときには、豪炎寺の頭を抱く様に寄りかかっていた。

「どうした?舐めたら治るんだろ、」

ニヤリと厭な笑みを向けられて、身体を支えてもらう。キッと睨むと、いつの間にか目の前にあった豪炎寺の顔が近づいてきて深くキスをされた。

「は…ぁ……さいってい」
「どっちが、」

豪炎寺はまた俺の前に跪いて今度は手際よく湿布を貼りつけ包帯を巻いた。
その行程を上から覗き、なんで俺が悪いんだよ、と言うと、手当てが終わった豪炎寺が今度は俺を真正面から見据えて言う。

「俺は、そんなに頼りないのか」
「え…」
「彼氏なんだから…頼って欲しい」

暫く固まってて、豪炎寺が俺のバンダナをずらして額にキスをして漸く身体中が熱を持ったように熱くなった。
それをみて笑った「彼氏」の顔が暫く見れなくなったのは言うまでもない。



最低な彼氏の笑みは
(嫌になるくらい格好良い)




>>ううわっ(__)消化不良な豪円\(^^)/
両方彼氏だよね。

竜弥





*プラウザバックプリーズ

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