「卒業…おめでとう、ございます」
いつもなら聞かない敬語で発せられた言葉が深々と降り積もる雪の静けさに突き刺さり、鼓膜の奥へと流れては消えていった。
上からふわふわとした茶色の髪に白い雪が舞っては溶け去っていく様を見ながら、此方を見て笑ってはくれないのかと頭の端で考えている自分がいて、冷えた宙に息を深く吐き出した。

「顔…上げてくれ、」

吐き出された言葉に肩を奮わせたのを見逃さずに、自分が着けていたマフラーをソッとその肩と細首に巻いてやる。弾かれた様に此方を見上げた円堂の顔にどうしても抱き締めたくなった。気付いたときには既に卒業祝いに貰った花束を真っ白な雪の上にほっぽりだして、小さな身体を抱き締めていた。

「風…すけ」
「まもる……私の側からいなくならないでくれ、」

いなくなろうとしてるのはお前だろう。と、震えつつも笑った声で円堂が言うから、円堂の首筋と自分のマフラーの間に顔を埋め、そうだったな。と、囁いた。


最期の雪に溶けてしまえればいいのに





>>初のガゼ円は高校生パロ。しかも短い。
今日は雪が降ってしかも卒業式シーズン?ってことで卒業ネタで。
ガゼ円てシリアスがシックリきませんか?(^q^)


竜弥





*プラウザバックプリーズ

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