「ゆき…むら……好きなんだ」

これは言ってはいけないことだって、分かってた。
俺は最低だ。







一つ年下の幸村。
小さい頃からずっと一緒にいた幼なじみ。


なのにそれは、幸村が高二になってから変わってしまった。

幸村が告白され、付き合い始めたからだ。


相手は、俺と三年間同じクラスの悪友ともいえる、竜の旦那…伊達政宗だった。

幸村が入学して、俺たちは三人で昼などをともにしていた。


竜の旦那も幸村もお互い仲も良かった。
でも、そんな素振りは全く無かった。

でも、二人で俺に向かって、付き合うことにしたんだ…そう言った。


あれから俺の時間は止まったかのようだった。


その時は多分笑顔で、よかったね。そう言えたと思う。


それから俺は二人とあまり行動しなくなった。


あれから数か月がたった今。


久しぶりに幸村に出会った。


放課後、職員室に呼ばれていて…クラスに帰ってきたら…俺の机の椅子に幸村が座っていた。

机に伏せて寝ているようだった。


なんで俺の席に?

竜の旦那の机は俺の付近ではない。

それに、わざわざ一番後ろの窓際の俺の席。


夕日に照らされる幸村の亜麻色の髪が綺麗だと思った。


「ゆき……」

俺は幸村の艶やかな髪に指を通す。


「ゆき…むら……好きなんだ」


溢れた言葉に驚いて、口をつぐもうとして、ハッとした。

栗色の大きな瞳に涙が溢れていたから。


「…ゆき…ゆき……?」

ハラハラと流す幸村の涙の意味が分からなくて、狼狽える。


「そんなこと……言うな…」

なにを言われたか分からなかった。

俺の脇を擦り抜ける幸村の腕を慌てて掴む。


「ゆき…本当なんだ……ずっと…ずっと好きだった…最低な奴だって思っていい…お願いだ…聞いてくれ…」

俺はまくしたてるように叫んだ。


振り返った幸村は涙を流しながら、ほほえんでいた。

「もう…遅い………さすけ」


幸村の腕が俺の手から離れていく。



「俺は…さすけがずっと好きだった…でも、このような気持ち…伝えられるわけが無い。苦しかった…辛かった…」

幸村は俯きながら、話し始めた。
肩は終始震えていた。


自分が辛いとき、支えてくれたのは政宗だった。

そんな中、政宗から告白された。

政宗は、佐助の代わりでいいから、利用してくれていいからと。

幸村には政宗の気持ちが痛い程分かった。

でも、付き合うのは政宗を可愛そうだと思ったからではなく、真剣に政宗と向き合いたかったから、好きだと思ったからだと。

今では政宗が一番だと、幸村は言った。


愕然とした。


もう、なにもかも遅い。



幸村は涙を拭い、俺の大好きな笑顔で言った。


「さすけ……愛していた」






いっそ、してくれ
(そしたら諦められるから)




>>一応、学パロ。
三角関係!(違)
政→←幸(→)←佐ですね。(何)
きっと、まだ幸は佐助好きです。しかし、政宗も好きです。
政宗を無下にはできません!




竜弥



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