「さむ…」

幸村は布団の中で身体を丸め、枕元の携帯を探し当てるとサッと自分の眼下へと引きずり、何時かと携帯をみた。
そこで、ピンポーンとまだ朝の6時だというのにインターホンがなる。
朝帰りの酔っ払いかなにかだろうと、寒い寒いとさらに布団に潜り込んで携帯を枕元に放る。すぐにまたインターホンがなる。
しかも連続で。
いい加減腹がたって、布団から飛び起きドアを開け放つ。

「いま何時だとっ……ん?」
すごい剣幕でもってドアを開けたけど誰もいなくて悪戯かと思い、ドアから顔を出すと、すぐ横に見知ったヘラヘラした顔。

「さっ佐助?!」
「HAPPY NEW YEAR 旦那ー…いきなり開けるのやめてね、あとちょいで顔面強打だったじゃない、」

それはすまない。なんて、ボンヤリと謝ってしまった自分が相当驚いているのだなと後で気づいた。
しばらく佐助を見つめていたが、マフラーの隙間から見えた鼻が真っ赤に染まっていたのをみて、早く入れと佐助を玄関に入れて、頭と肩に積んだ雪をはたいてやった。

「ありがと〜」
「何を暢気に…わっ」

いきなり佐助に抱き締められて、もう自分の中のキャパシティーはすでに越えていた。

「なっ…なんで…」
「本当は一緒に過ごしたかったんだけど…」

ごめんね。と、佐助が頭を撫でながら言ってくる。
幸村は佐助と本当は一緒に年を越すつもりであった。でも30日になって佐助から電話があった。
仕事が片付かない、と。
そこで怒るなんて女々しいことはできるはずもなく、ああそうなのか、頑張れ。としか返せなかった。

「仕事…は」
「しばらく休み、貰った…大将に」

大将に旦那と過ごすつもりだったって言ったら、休みとっていいって。と付け加えられ、普段だったら何をいらないことを!と、グーで殴ってるところだなと、どこか他人事の様に感じていた。
どうやら、自分は佐助に心底会いたかったらしい。口には絶対に出せないが。

「一緒に過ごせなかったから…一番に会いたくて」
「いなかったらどうするのだ、」

佐助の背に手を回しながら素っ気ないように言う。既に泣きそうだというのは佐助の肩口に頭を乗せることで誤魔化す。

「あ…」
考えてなかったという風な佐助の声に笑った。

「旦那…怒ってる?」
色々。と、言う佐助を真正面(というか下)から見つめるといつもの無駄に自信満々の顔じゃなくて、なんというか、捨てられた犬の様なそんな顔をしていた。
その顔に佐助がよく馬鹿みたいに、俺の顔を見てはキュンってする。と言う、キュンがそこでやっと理解できた気がした。

「…佐助、」
「え……っ……ぇええ?!」
無性にキスがしたくなって佐助に触れるだけのキスをしたら、ドアに後頭部を打ち付けながら後ずさった佐助に首をコテリと横に傾けた。

「ちょっ…だっ旦那っ…どこでこんなっ……いや…俺様か…って、違う!ちょっと来なさいっ!!」

勝手に百面相を始め、勝手にノリ突っ込みをした佐助は幸村の手を掴みずんずんと家の中に入っていった。
頭に?を浮かべたまま幸村はいつの間にやらベッドへと押し倒されていた。

「さ…佐助?」
「もー…旦那ってば反則」
ブツブツと未だに何か言っている佐助のマフラーを取り去り、幸村は佐助の首に両腕を伸ばした。

「会いたかったのだ…しかたあるまい」

そう言ってまたキスをすると、さっきみたいに冷たくはなくて、むしろ熱くなった佐助の唇に今度は食べられるみたいなキスをされた。



朝っぱら逢瀬




>>あけましたおめでとうございます!←
またまた間に合わなかった年明け文!
今年も佐幸でウハウハしたいです!ってことで、姫はじめ…は書きませんでした(^q^)
佐助さん社会人、幸村さん学生って感じです。

今年も宜しくお願いいたします!の意として、あけおめフリーとさせていただきます。
今更感が大いに否めない。
こんなサイトですが!どうぞ今年も宜しくお願いいたします!

竜弥
(100105)





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