通りを挟んで真正面に花屋が見える窓際のカウンター席。今日も定位置には淡い陽を浴びながらキラキラ輝く栗色の髪の毛の子が座っていた。
いつも話しかけようとしてお冷やを持っていくんだけれど、いつも交わす言葉が決まっている。
どうぞ、
ありがとうございます。
そんな当たり前の接客用語に返ってくるのは当たり前の御礼の言葉。会話が弾む筈もなく、彼は花屋に目線を戻し、俺は厨房に帰るしかない。
でも、今日はなんだか横顔が悲しそうで、気づいたときには声をかけていて自分でも驚いた。

「いらっしゃい…真田さん」
御礼を言おうとしたのだろうか、口を開いたまま物凄く驚いた顔をしていた。

「え…なんで名前…」
「そこの花屋でバイトしてんよね…俺、よく行くから」
覚えて無いだろうなと思いつつも言ってみると、真田さんははにかんだように笑った。
「あっ…の……知ってます…いつもありがとうございます…」
「っ……いや…こっちこそありがとうございます…そっそれより…どうかされたんですか?」
笑った顔に馬鹿みたいに見惚れてた。そのあとの言葉は吃りまくってて焦った。
「え…?」
「いや…今日は元気ないなって…」
ここまで言って、しまったと思った。これじゃあいつも見てますって公言したようなもの。
俺の握りしめる手は冷や汗が尋常じゃない。それでも気づかれなくて、変わりに真田さんはポツリと言葉を溢した。

「あそこ…潰れちゃうんですよ、花屋」
「え…?」
今度は俺が驚いた。
潰れちゃうってことは…。

さっきの言葉が頭の中をぐるぐる、俺は花屋を見つめる真田さんの横顔に言った。

「バイト…辞めちゃうんです…か」

また可笑しなことを口走ってた。潰れるんだから辞めるに決まってる。
でも、俺は物凄いショックを受けてるんだ。
辞めるってことはもう会えない。

「また、バイト探さなきゃ…」

俺…好きだったんですよあそこ…。花が好きって訳じゃないんですけどね。
と、笑った顔が悲し気で、他の客とかその他諸々忘れて、必死に叫んでた。

「じゃあっ!あのっ!ここで、一緒にバイトしませんかっ?!」



お次は僕と恋でも始めてみませんか、



>>七火さんへ今更ながらお誕生日おめでとうございます小説です。
本当に今さらですみません(´Д`)
しかも続きそうな感じで終わってすみません(__)
幸村も花屋から佐助を見ていたっていう落ちなんですが分からないっていう(`∀´)
相思相愛ってことでして←

ああすみません(__)
何はともあれおめでとうございます!
だ い す き です!←



竜弥


title:ことばあそび








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