「佐助…すまない」
さっきまでニコニコと俺が作った朝御飯を美味しそうに食べていた旦那が、いきなり箸を置いて俯きながらそう言った。
俺は首を傾げて何かまた悪さでもしたのかなとか考えながら旦那の可愛い旋毛を見てた。
今日は自分から謝ってきたからあんまり怒らないでおこうとか思ったり。
「俺と…別れてくれないか」
暫く何を言われたか分からなくて、卵焼きを食べようとした格好のまま停止した。なんて不様。
「…え?」
旦那は俯いたまま、顔の表情が読み取れない。些か震えているように見える。
え。何?よく理解出来ない。俺の頭キチンと働け。
ああ、卵焼きと箸が落っこちた。
「佐助と…別れたいのだ」
怒るとか、そんなことなんだか全然出来ない。体の力が一気に抜けて、何ていうか気だるい?違うな…。
ていうか、俺の視界が霞んで旦那の綺麗な髪が見えなくなってきたのは…ショックで失明とか?
有り得るかも。ていうか、絶対失明。
昨年の仕返しなんて悪趣味なことを考えたのは、昨年の自分。それほどショックで、暫くは立ち直れなかったのは事実。
でも、佐助の反応がなくて、ああ、失敗だ絶対に怒られる。なんて、方程式たてて、ここは早めに謝った方がいい。と、答えを出した。
「なーんてな!昨年のしか……さすけっ?!」
顔をあげて、自分の浅はかさに嫌気がさした。
仕返しなんて、するんじゃなかった。そんなことを思っても、時既に遅し。
目の前でぼろぼろと涙を流す佐助を今まで見たことがあろうか。
俺は急いで佐助の元に向かって涙を拭ってやる。
そしたら、捨てられた猫みたいな目で此方を見上げてきた。
嗚呼、もう、本当にごめんなさい。
「だん…な」
「すまぬっ、すまぬ佐助っ」
俺も何だか涙が溢れてきてでも、佐助が愛しくて愛しくて…。
佐助の濡れた両頬に手を添えて、キスをした。
キスはしょっぱくて、少しの苦いコーヒーの味がした。
嘘です
>>エイプリルフール!
四月馬鹿と愚か者の一年後?みたいな。
このあとはもちろん佐助くんに喰われます幸村。←
日付越しです←
佐幸佐みたいな。←
#090401
竜弥