『いやだ…幸は佐助がすきっ』
『うん…だから…幸村が18歳になったら…』


「っ……」

目の前に広がるのは黒と、少しの月明かりで見える見慣れた天井。
いつの間にか寝てしまったのだろう、寝る前のことがボンヤリとしていて思い出せない。
窓が開いているのか隙間からの夜の風が寒く幸村は布団を更に深く首元まで被った。
もう一度眠気が襲ってきてコロリと寝返りをうつ。
しかし、先程の夢が頭から離れない。

あれは…

「佐助…」

「えっ、起きてたの」

ここは自分の部屋。居るはずの無い佐助の声が耳に入り、身体をベッドから起こした。
声の主は窓からヒラリと部屋へと舞い降りてくる。その橙色の髪が夜と少しの月明かりに溶けて、とても綺麗だと少しの間見惚れた。
そんな幸村を不思議に思ったのか、少し首を傾げる。
「な……佐助っ!?」
「あら?気付いてたんじゃないの?」

慣れた目に映るのは眉をひそめた佐助の顔で、幸村は今度は頭まで布団を被った。

「くっ来るな馬鹿者…不法侵入だ」
「酷いね、家が隣なのに…」

佐助が言うように、自分と佐助は所謂幼馴染み。家も隣同士で、佐助の部屋の窓は自分の部屋の窓との距離が僅か四十センチなので、幼い頃から親の目を盗んでは行き来していた。
が、それも昨年まで。
佐助は去年、教師になり独り暮らし。自分は今年から大学生。仕事と受験で夏休みや冬休みすら、あまり時間を共にしていない。
今日もメールも電話もなかった。なのに。

「なんで今更帰ってきたのだ…」

幸村は言ってから後悔したが、勝手に言葉が溢れ落ちる。

「佐助なんて…知らぬ…」
「いや…幸さ…今日誕生日でしょ…だから、帰って…「別に頼んでないっ!」…」

自分の吐き出した言葉に吃驚し、涙が溢れる。
後から後から涙が溢れ、嗚咽まで漏れ始めた。

「幸村は…18歳になったね…」

いつの間にか布団を剥がされ、隣に佐助が座り髪を透かれていた。
バッと睨むように顔を向けると霞んだ視界一杯に佐助の顔。ドキリとした次の瞬間には唇に温かい感触。
その次には、自分は佐助の腕の中にいた。

「なっ…」
「幸は…覚えてない?…大分昔のことだけどね…。幸が覚えてなかったりしたら言わないつもりだった。今日も、おめでとうを言いに来ただけなんだけど…そんな顔するから…」

佐助の言葉に先程の夢を思い出す。

忘れるはずなんかなかった。
忘れたくなかった。
小さな頃の約束。佐助はとっくの昔に忘れていると思っていた。

今日も、佐助からの連絡がなくてイライラしてふて寝を決め込んだ。窓を開けていたのは、もしかしたら佐助が来ると思っての、確信犯。
しかも、全部無意識だった。
夢に、佐助に気づかされた。

「お…れは…忘れたことなど…ない」

佐助にしがみつき、涙と鼻水でグチャグチャだろう顔で佐助を見上げれば、嬉しそうに微笑んだ佐助がいた。

「うん、だから…俺と…結婚してください」

佐助の笑顔がやっぱり変わっていないなと、佐助の甘いキスをうけながら思った。




誓いという名の約束を
幸村HappyBirthday!!






>>2月2日
幸村HappyBirthday(^-^)/
そして間に合わなかった自分タヒんでまえ(^q^)
そしてなんだこの微妙な感じは。
一応男の子設定ですよ(^-^)/このあと同棲です。
むしろ佐助さんは一年間幸村との同棲のため頑張ってました。
お金貯めたりとかね。
幸村の母と佐助の母は仲良くて二人を応援してたらいいな。

何はともあれ!幸村おめでとうっ!


★こんなんでも一応フリー


竜弥





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