「ねーこれどう言った状況?」
オレンジの髪、ピアスには到底似合いそうにない濃い緑色のエプロンをつけた佐助は眉を盛大に歪ませ目の前の、輪になってトランプをしているこれまた似合わない男3人に叫んだ。

「は?…何か問題でーもー?あっ!てめぇっ!jokerとれって!」
にやにやと意地悪く笑いながら佐助を見ていた漆黒の髪と右の眼帯、政宗だったが、隣からのばされた手が取っていったトランプを見て叫んだ。

「うるせー、取ったもん勝ちだ、つか、おまえが持ってたのか」

銀髪、左目に眼帯をした元親がハートとスペードのエースを出し豪快に笑った。

「ははっ、政宗馬鹿だなー…自分で言っちゃったよ…っと、あがりー」
その隣でラスト一枚の慶次が元親からトランプをひき、キングを捨てニッコリと笑った。

「「(こいつ……5連覇…ただ者じゃねぇっ)」」

二人は声には出さないが胸中で叫んだ。

「は?じゃないよ。問題だらけだよこのやろう。つか、英語馬鹿。片倉さんはどうしたのさ」

キッチンから覗いていた佐助は政宗の後ろに立ち、膝で政宗の後頭部をこづいた。

「いって!おいmonkeyふざけんなっ!俺はenglish馬鹿じゃねー……母国語だ」
「うっそつけ、いーからひかせろ」

政宗の言葉に笑いながら元親は政宗の二枚残った一枚をひいた。

「Shit!待ちやがれっ」
「っしゃ!俺の勝ちだな政宗」

ヒラヒラと今しがた政宗からひいたトランプを見せびらかしトランプの山に放った。
政宗は手元に残ったジョーカーを忌々しげに睨み付けトランプの山に投げ捨てると今度は大富豪だと言いながら配る。

「ちょ、無視するなんて酷くない?!」
「あん?だから、幸村の補習手伝ったら一緒にくるってよ」

佐助は政宗の言葉を聞くなり政宗の胸ぐらを掴んだ。
「はっ?!」

「いってーな、放せmonkey野郎…だから、supplementary lesson」

「誰も英語を聞いてんじゃないよ…俺様こうしちゃいられないっ」

政宗を放り、エプロンを脱ぎさり厚手のコートを羽織る。
そんな佐助に政宗は疑問符を投げ掛けた。

「Why?」
「迎えにいってくる!」
顔面蒼白とでも言うのだろうか、佐助は捲し立てるように言った。
そんな佐助に慶次は呆れながら声をかける。

「まぁ待ちなよ猿くん、たしか幸が元就も連れてくるって言ってたよ、ねぇ元親?」

「あ?……おう」

元親の曖昧な返答に政宗は八流しだと叫びながら八を出し次にキングを出した。そして、口元を緩めながら佐助と元親を見据える。

「はーん…お前等知らなかったわけ?付き合ってんのに?信じられねえー」

わずか三枚となった手持ちをプラプラと振りながら笑った。

政宗の態度に腹をたてながらも、元親は手持ちにキングより上はなく渋々パスだと告げた。
そして慶次の発言に食いついた。

「うっせーなっ!つーかなんでどうでもいい慶次が知ってんだよ!ストーカーか!?」

「はあ?!ふっざけんな、俺が興味あんのは幸と女だけですー」

慶次はそう言い、革命だ。とニヤリと告げた。
慶次のいきなりの革命に政宗はカードを投げ捨て、仰向けに寝転がった。

「ストーカーじゃねえかっ!」
でもでかした!と元親が叫ぶ。

「うっさい二人とも。いやいや、待ってよ…だからなんで俺と旦那の部屋に集まってんの?」

足元に寝転がってきた政宗の頭を足で蹴りながら、佐助が眉をひそめる。

「は?だから…X'mas partyすんだよ」

やめろと手で叩き、ケロッと言う政宗に佐助は更に眉をひそめた。

「どこで」
「「「ここで」」」

さっきまで合わせようともしなかった意気を、合わせ3人は叫んだ。

「っざけんな」

「ちゃーんと小十郎が家庭菜園からvegetables持ってくるぜ」

なー、と、元親と慶次に同意を求める政宗に佐助は頭を抱え言い放つ。

「野菜があったって意味無いんだよっ」

「んだとお前っ!小十郎のvegetablesを馬鹿にする気か!」

闘志を剥き出しにして睨み付けてくる政宗に頭痛を起こしそうになる。

「地味に食い付かないでよ!そうじゃなくてっ!俺と旦那のラブラブなクリスマスを邪魔するんじゃねーよ!」

そう涙目で叫ぶ佐助を完璧に無視し3人は、再び大富豪を始める。
佐助が何か言おうとしたとき、玄関から物音がし、次には元気な声が響いた。

「ただいまでござるー」
「邪魔するぜ」
「失礼する」

「だっ旦那ぁああ!」

佐助は猛奪取して玄関に走り、栗色目掛けて飛び付いた。

「ぬぁっ…どうした佐助…」
いきなり自分の腰元に抱きついてきたので、いつもの「破廉恥でござる!」すら言えずに呆然と佐助のオレンジ色を上から見つめる。

「どうしたもこうしたも………そうだ!片倉さん!旦那を誘惑するのはやめてっ!アンタには英語野郎がいるでしょっ」

そう捲し立て、ギュウギュウと更に力を強める。

「……真田…コイツは何を言ってんだ?」
「我関せず…真田…我は寒い…入るぞ」

佐助の支離滅裂な言葉に2人は肩を竦める。
元就は幸村の返事も聞かず、ズカズカと入っていった。

「某にも分からない故……まぁ、片倉先生御上がりください」

幸村は小十郎にそう言う。小十郎は、一瞬佐助を見てから幸村をもう一度見て、苦笑いで返されたので、肩を竦ませて靴を脱いだ。
自分と先程脱ぎ散らかしていった元就の靴と更に前から脱ぎ散らかされている3人の靴を直し上がった。

「…邪魔するぞ…」

「某は後で行きますので…」

野菜を担ぐ小十郎の背にそう投げ掛け、また眼下にいるオレンジ色を見つめる。

「こら……佐助…お客様に失礼ではないか…お館様に怒られるぞ」

それに破廉恥極まりない。と、静かに言い佐助を剥がした。
佐助は不貞腐れた様に眉間に皺を寄せ幸村をみやる。それを見て幸村も眉をひそめる。

「大将のとこに寄るからって言ってたよね。…なんで嘘なんてつくのさ」

「……む……それは…」

「それに…俺様、政宗達とクリスマスパーティーするなんて聞いてないんだけど」

幸村の言葉を遮り、強い口調で畳み掛ける佐助に些か動揺を覚えながらも幸村は靴を脱ぐ。
そして、部屋にでも入って話すか。と、言って佐助の横をすり抜けようとしたが、強い力で腕を掴まれ玄関近くの風呂場の脱衣所に引っ張られた。
気が付いたときには背には壁、扉は閉められたため真っ暗で分からないが、佐助の両の腕が顔の横にあり、佐助の顔が間近にあることは分かる。

「…っ……放せ佐助…」
「嫌だ…」

そう耳元で囁かれたと思った瞬間、耳たぶを舐めあげられ背が慄だつ。
殴ろうと振り上げた手は意図も簡単に両方壁に縫い付けられ、放せ。と、あげようと思った声は深い接吻(キス)に飲み込まれた。

「んっ…ふぅ……っ!?」
性急な深い接吻にクラリと目眩を覚える。
そして、壁の向こうからは壁が薄いために聞こえる政宗達の声。
幸村は羞恥で身体中を熱らせる。(ホテラセル)

幸村の目尻に涙が滲む頃、漸く我に戻ったのか佐助が飛び退いた。

「うっわ……ごっごめんっ」
「……あ…ぅ……たっ戯け者っ……」


佐助は床に崩れ落ちそうになった幸村を支え、ドアを開けた。
差し込んでくる光に些か目をしばたかせ、幸村は佐助を睨んだ。

「は…破廉恥っ」

「ごめん……好きすぎて頭が回んない…」

佐助はそう言うと幸村を抱きしめ肩口でため息をついた。

「なっ…ななな…」

「…なんで嘘ついたのかと、政宗達呼んだのか…言わないと…クリスマスケーキは無しだからね」

「ぬあっ!ひっ卑怯だぞっさすけぇっ!」

耳に届く十分すぎる叫び声に口元をゆるめながらも、次の言葉は真剣に丁寧に紡ぐ。

「俺は…幸村と付き合って初めてのクリスマスだったからさ…スッゴク楽しみだったの」

「さ…さすけ………すまぬ…」

幸村は声色からも分かるように、本当に申し訳なさそうに囁いた。そして、佐助の背に恐る恐る手を伸ばし、自分からも抱きついた。
暫く黙ったまま、外野から騒がしい声を聞きながら、どちらからとも言わず離れた。
そして顔を近づけ、幸村が目を瞑ったのを見て佐助は良いことを思い付いたと顔を輝かせた。
接吻に準備をしていたのに、触れるものはなく、幸村は頭を傾げ瞼を開いた。

「…許してほしいならキスして」

そう言った佐助のしてやったりな顔を見て幸村は湯気が出る程顔を真っ赤に染めた。

「ぬぁあああっ!はっ破廉恥っ!」
「じゃ、嫌だ」
「さっ、さっきしたではないかっ」
「違うよ…旦那からしてくれないと意味ないもん」
「なっ…」

そう言って目を瞑り、早く早くと催促する佐助に内心殴ってやろうか。等と考えたが幸村は意を決して、佐助に触れるだけの接吻をした。

それに驚いたのは佐助で、絶対に殴られるか罵られると思っていたのに、まさか本当に接吻がくるとは思わず、目を丸くして顔を幸村以上に真っ赤に染めた。

「なっ!な……んっ…」

きちんと出来なかったから佐助が固まっていると思った幸村は、立ち上がろうとしたが、またすぐに佐助に抱き締められ接吻された。
「っ…すっげー、最高のクリスマスなんだけど…」

そう言った佐助に幸村は吹き出すように笑い、佐助に抱きついた。



HappyChristmas!!





>>これは、

ギャグでつか!!←

書いてて分からなくなりました。
そして、年あけてーら。
すみません亀で。
佐幸…だよ。うん。
エロ…書きたかった!が、止めました。
正月だし。うん。←言い訳
幸村が言えなかった理由は、補習が恥ずかしかったのと、付き合って初の2人きりのX'masが恥ずかしかったという…。

なんだそりゃ!
しかしきっと、それを政宗とかに聞いて…幸をめっちゃくちゃ愛すのだと!!←ぇ
竜弥はこんな奴ですよ!笑


竜弥




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