2009/09/08 10:58

ふわふわほわほわ鈍臭くて、見るだけでイライラしてた。だから虐め概もあった。
のに、あんな科白言われたらどうしようもない。


「おい、緑の…散歩の時間だ」
鉄扉から目だけで監獄の中を見渡す。ヒヨコとカエルとなにやらふわふわの雰囲気で遊んでいた緑に目を向ける。
緑はパァッと表情をさらに崩し嬉しそうに笑った。そして、あの極悪人にまで声をかけた。
馬鹿野郎、そいつは散歩なんて時間ねぇんだよ。
なんて、あとの惨事が恐ろしくて言えない。弟なら絶対に喧嘩吹っ掛けてぶっ飛ばされてる。
まぁ、どうせあの赤い奴は行きやしないんだけどな。
そう考えてたら少ししょんぼりした緑がヒヨコとカエルを持って扉の前まで来た。
乱雑に扉を開けて奴の両腕に抱えたヒヨコとカエルをぶっ飛ばし手錠をかける。(カエルは辛うじて緑に引っ付いてた、ヒヨコはというとカエルに食われた気がする)
いつも思うが…白すぎるし細い。枷が取れてしまいそうだ。

「いってきますね、キレネンコさん…」

途中で扉を遮断してやったら、聞こえたかな?と首を傾げてた。本当に暢気な奴。
鎖を俺の腰元に付け俺はスタスタと監獄の中にある人工的に作られた庭に進む。
緑は俺の速さに、むほっとかうひゃっとか奇声を発しながらバタバタと着いてくる。

それを横目で見て、何故だか顔が綻んでしまって焦った。じわじわと何かを満たされる感覚に戸惑った。

「あ、の…真ん中さんっ、今日はどこに連れていってくれるんですか?」

「……は?」

暫く何を言われたか解らなくて、足を止めると背中に緑がぶち当たってきた。

「ぷぁ…」
「さっき…なんつった?」
「へ?……えっと、今日は…」
「その前、」
「…?……真ん中さん?」

それだ、と緑を見下ろす。すると、ジッとこちらを見上げていてドクリと心臓が脈打った。なんだこれ、あちぃ。

「なぁんだ、やっぱり真ん中さんじゃないですか…」
間違えたのかと思っちゃいましたよ。
そう言われて、ことり、と首を傾げてた。
嗚呼、糞。心臓治まりやがれ。

「なんで俺が真ん中だってわかんだよ」

俺らは背丈もなんもかんも一緒の三兄弟。三つ子って訳じゃあないが、気持ち悪いくらいに一緒。
今まで誰にだってわからなかった。自分達でさえ、解っているのかわからないほどだった。
なのに、こんな入りたての餓鬼に分かってしまうなんて馬鹿げてる。

「えぇ?…わかりますよぉ…ちゃぁんと」

逆に驚いた顔をされて最後にはまた、ふにゃっと笑われた。
なんだかムカついたから一発頭をはたいてやった。

「いっ、痛いですっ」
「黙れ、おらっ…キビキビ歩け」

だって、真ん中さんが止まったんですよ、と後ろから騒ぐ緑にうるせー黙れと投げつけてやった。


馬鹿げてる!!


>>そのあとから、長男は眼鏡、次男は右に眼帯、末っ子は左に眼帯というスタンスができます(^q^)
で、時々シャッフルしてどうにかしてプーチンを騙そうとするけどバレるという。まだ次男くんはプーチンが好きだなんて気づいてないです。一番鈍いといい。そんで、プーチンが自分より年上ってことに気付いてショック受ければいい。


竜弥

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