この佐々木海斗という先輩が、俺はよく分からない。ぼんやりしているかと思えば、じっと考え込んでいたり。とにかくよく分からない存在で、だから気になっていた。漢らしく認めよう。俺は気になっていた。けれどそれは単なる好奇心。少なくとも最初は。




「…本当、器用だよな、完二って。俺、絶対無理だよこんなの」

「いや…ボタン付けくらいなら出来るんじゃないスか」

「それが、出来ないんだよな…料理なら得意なのに…」

じ、と俺の手元を見つめながら、先輩は言う。

つい先ほど、シャツのボタンが取れたと言って先輩が俺のクラスにやってきた。直せ、ということらしい。教室の中で裁縫を始めるわけにもいかないので(俺にも面子というものがある)場所を移動して屋上に来た。

「ほんと…上手いな」

「いや…そこまでじゃないッス」

「いや、上手いよ。もうちょっと自信持っていいと思う。完二のくせに」

「失礼な…」

大したもんだ、と先輩は言う。褒められると、純粋に嬉しかった。

「…出来たッス」

「ん、さんきゅ」

シャツを受け取って、先輩は立ち上がった。確かめるようにボタンをじっと見つめてから、くるり、と振り返って言った。

「ほんと、ありがとな!」

満面の笑みで。



はじめはただの好奇心。彼の笑顔を見てから、その感情は変わりはじめていた。





不意打ち!



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か き な お し た い !
うーむ、納得いきません!何時か機会があれば書き直したいです…

(加筆修正後 / なんなのこいつら…まじなんなの…)





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