「あの、あの、海斗さん」
「何、陽介」
「これは一体、どういう状況でしょうか」
「俺が陽介を昼飯に誘った」
「それで、これは、」
「弁当。昨日ちょっと作ってみたから、食べてみてって意味で差し出してるんだけど」
そう平然と彼は言い放った。
ててててて、手作りぃぃぃいぃ!?これ何フラグだよえええ手作りってもしかしていやまさかそんなはずは!落ち着け、落ち着け俺!とにかく落ち着くんだ俺!
「…食べないんならかたすけど」
「食う!食う!当たり前じゃん!」
「そう、」
じゃあどうぞ、と改めて差し出してきた。俺はそれを受け取って、まじまじと眺めた。
可愛らしい小花柄のハンカチで(多分菜々子ちゃんのだろう)きちんと包まれている。それをほどいて蓋を開けると、思っていた以上に豪華な品揃えが顔を出した。いや、実際にはそう豪華では無いのだけれど(ソーセージとか、値段的にはリーズナブル)(しかし何時もの俺の昼飯に比べたら豪華なのは変わりないが)恐らく彩りにも配慮して並べられたであろう品々は、なかなかに綺麗で豪華に見えたのである。ひとつ、卵焼きをつまんで口に入れる。旨い、マジ旨い。
「旨い!おいしーよ、コレ!すっげー、佐々木マジック!」
「ふーん。…いつもより頑張ったかいがあったかな」
「え?」
「今日は最初から陽介に渡すつもりで作ってきたから、」
何時もより、気合い入っちゃったよ。そう言って、にっこりと海斗は笑った。
「…へ、それって、え、」
「…冗談だよばーか。何期待してんだ恥ずかしい」
「酷い!」
期待すんなって方が無理!
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からかわれる陽介。
平和だ…
(加筆修正後 / 陽介は馬鹿なんだと思う。ばーかばーか)
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