現パロかつストックさん医大生パロだけど医大生が何してるか分かんないからそのあたりはフィーリングで。白衣を着ると、なんとなく気が引き締まる。制服というものはそれだけで人を縛るから、けれどあの図体が馬鹿でかいロッシュが真面目な顔をして、小さな試験管やらシャーレやらを覗き込んでいるのは少し、いやかなりおかしな感じである。
まあ、自分も人のことは言えないのかもしれないが。
がさごそと自分のロッカーを漁りながらストックはそこまで考えて、ひとつため息をついた。白衣はいい。今きちんと着ている。けれど昨日放り込んだボールペンか、どうしても見つからない。
昨日はとにかく疲れていて、早く帰りたかった。だから何もかもを適当にロッカーに突っ込んで帰ったのだが、案の定というか、白衣のポケットにあったはずのボールペンは完全に姿を消していた。もう見つかる気がしない。何より面倒くさい。
研究室に忘れてきたのかも知れないし、もし無くても誰かに借りればいいだろう、そう結論づけて、白衣の裾をはためかせ研究室へと向かった。
「………困った」
誰もいない。研究室は空っぽだった。少し見回してみても、書くものは転がっていそうにない。
「…どうするかな」
ひとまず書くものは諦めて、定時の観察だけ済ましてしまうことにした。シャーレを引っ張り出して来て、あれやこれやと数値を計る。数字を頭の中にしっかりと刻みつけてから記録用紙を取り出した。
ボールペンのひとつくらい買いに行ってもいいのだが、それよりあいつの研究室の方が近い。たまにはこちらから押しかけるのもいいだろう。
後片付けを適当に済ませて、ストックはその場を後にした。
「…で、俺のところに来たと」
「ロッシュ、ボールペンを貸せ」
「はいはい、わかりましたよ」
ほれ、とロッシュはボールペンを差し出した。受け取ったストックはさらさらと用紙に書き込んで、よし、と一息つく。
「ようやく終わった」
「お前、それだけの為にわざわざここまで来たのかよ?」
「それだけじゃない。昼飯もお前のおごりだろう」
「うげ、」
「約束だろう。レポートを手伝ってやった」
「…お前って結構容赦ないよな」
渋々、立ち上がったロッシュをストックが急かし、2人は食堂へと向かった。
「ああ、そうだ、ロッシュ」
「あ?なんだよ」
「ついでにボールペンも買ってくれ」
「だが断る」
「もうレポートは手伝わない」
「くそ!分かったよ!」
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白衣萌、それだけです。その割には白衣描写ないけど。最初の方で力尽きて着地点を見失うのはよくあることです。
そして結局ロッシュ。
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