懲りずに現パロ






「レポートがな、終わらねぇんだ」

「それで、なんでお前はうちに来る」

不機嫌そうに、ストックは言った。その手にはお玉が握られ、しっかりと黒いエプロンまで着用している。
珍しい、つーか意外。思いながらロッシュは玄関に入り込んだ。

「なんだよ、メシ作ってたのか?」

「お前が邪魔しに来るまではな」

「冷たいねぇ」

ストックの嫌みもさらりと受け流して、ロッシュはさっさと部屋に上がり込んだ。入ってしまえばこっちの勝ち、ストックは追い出すということが苦手な男だ。

「今日は美人の妹はいないのかよ?」

「エルーカは友達の家でお泊まり会、だそうだ」

ちゃっかりリビングまで上がり込んだロッシュを追い出すことを諦めて(この辺りはロッシュの読み通りになった)ストックは料理に戻ることにした。作りかけていたみそ汁はもう少しで出来上がる。
なかなか上手く出来た、とストックが鍋をかき混ぜながら思っていたところに、リビングから顔を覗かせたロッシュが言った。

「それじゃあ俺たちもお泊まり会だな!」

「…何だって?泊まるつもりかお前」

「当たり前。俺はレポートが嫌いなんだよ」

「手伝えと?」

「もちろんタダとは言わねぇ。昼飯3日間おごりでどうだ」

ふむ、とお玉を持ったままストックは考える。昼飯代が抑えられるのは学生の2人暮らしの身としては大きい。かといって相手の要求をそのまま呑むのも癪なので、

「一週間だな」

「げ、」

そりゃあないぜ、と恨めしげに見てくるロッシュを今度はストックがさらりと受け流し、かちりとコンロの火を止めた。

「晩飯はまだなんだろ」

「お、食わしてくれんのか」

「ついいつもの癖で2人分作ったからな。…一週間だぞ」

「…分かったよ」

渋々ロッシュがそう返して、ストックは満足げに茶碗にご飯を盛った。一週間の利益は大きい。

「で、レポートは何枚だ」

「40枚」

「やっぱ帰れ」




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ロッシュがレポート得意なわけがない(酷い)
もうちょっと長いはずだったんだけど、途中で飽きたとかまさかそんな…。
家事はエルーカと当番制かなーとか思ったり。




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