クリア後ネタバレあり








あれから、いくらかの時間がすぎた。長い気も、短い気もする。その間にレイニーはアリステル軍の中でそれなりの地位に着き、それなりに功績を上げ、それなりに暮らしていた。
だからと言って、忙しいわけでもない。グランオルグとは友好な関係を築いているし、獣人達とも同様だ。最近の軍の仕事と言えば、たまに街に近づきすぎる魔物を倒したり要人の警護をしたり。
平和だった。まさに、彼が望んだ世界だった。







特に仕事の無いとき、レイニーは酒場の前の掲示板を眺めて過ごす。新しい情報は無い。もう覚えてしまうぐらいには読み返した掲示板を、レイニーは今日も眺める。

(ねえ、この大陸は、平和になったよ)

(まだ砂漠化は止まらないけど一先ず落ち着いたし)

(それに、緑化の手だてが見つかったかもしれない)

(だから、ねえ、あたしはずっとここで待ってるから)

(はやく、帰ってきて…)




約束が果たされることを信じて、彼女は待ち続ける。






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テーマ「推しとの恋」
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