※一般人夢主


大型のショッピングセンターに向かって、友達と江戸の街を歩いていると、友達の携帯からメールを知らせる受信音が鳴った。

友達の顔がパァっと明るくなる。

『誰から?』

「彼氏から!今からデートしないかって。ごめんっ、行っていい?」

『……いい、けど』

今度、絶対に埋め合わせするから!と、友達は笑顔で去っていった。

一人、ぽつんと道端に取り残される。

……なんだ。今日のお買い物、楽しみにしてたのにな。

どうしよう。一人で行くのも寂しいしな。

……帰ろうかな。

『はぁ……』

「どうしたんです。溜め息なんかついて」

突然、後ろから声をかけられて、びくっと体が跳ねてしまった。

振り返ると、眩しいくらいに真っ白な隊服。

『佐々木さん!見廻りですか?』

「ええ、今から帰る所です。暇なら屯所に来ますか?」

ちょうどドーナツもありますし、と言う佐々木さん。見れば、ドーナツ屋の箱を持っている。

……何ともミスマッチ。


屯所に着くと、信女ちゃんが無言で私の腰に抱き着いてきた。

が、佐々木さんが懐から取り出したドーナツを与えると、颯爽と何処かに消えてしまった。

「ここで良いですか?」

縁側で立ち止まり、佐々木さんが聞いた。

『はい!』

腰を下ろした佐々木さんの隣に座る。降り注ぐ暖かな陽の光が心地良い。

そんな陽のせいか、ドーナツを食べながら他愛ない会話を交わしていると、だんだんと眠たくなってしまった。

会話の返答が、遅れ気味になってくる。

「……眠たいんですか?」

私の顔を覗き込みながら言う佐々木さん。

『…はい。すみません』

せっかく屯所に呼んでくれたのに、申し訳ない。

「どうぞ。構いませんよ」

ぽんぽん、と自分の膝を叩きながら言う佐々木さん。

これは……。

膝枕って事か?

『失礼します…』

恥ずかしい気もしたが、睡魔には勝てなかった。

横になり、佐々木さんの太ももの上に頭を預ける。

暖かく逞しい佐々木さんの体に触れていると、不思議な安心感が広がる。

大きな掌に優しく頭を撫でられ、ゆっくりと意識が沈んでいった。



微睡みに沈む昼下がり


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ただ単に佐々木さんに膝枕してもらうだけ。
アイディアbyねこたさん

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