見廻りから帰り、机の上に置いていた箱を開くと、楽しみにしていた物が消えていた。 込み上げる怒りを最小限に押さえ、犯人であろう人物の部屋へ向かう。 なるべく力を入れずにしたつもりだったが、襖はかなり大きな音をたてて開いた。 「なまえ」 小さな体が、ぴくりと強張ったのが見てとれる。 『なな何でしょうか!』 「私のドーナツ、知りませんか?」 『知らないです!』 ふるふると頭を振るなまえ。だが、その顔にはっきりと証拠が残っている。 「そうですか。…なら、」 なまえの顎を軽く持ち上げ、その口の端をぺろりと舐める。甘い。 「……このクリームは何ですか」 『っ!それは……』 なまえの顔が僅かに紅潮したが、すぐに青ざめてしまう。私は、そんなに怖い顔をしているんだろうか。 「今日という今日は許しませんよ。人の物を勝手に取るなと、いつも言っているでしょう」 『ごめんなさ……』 ぐいっとなまえの腰を引き寄せ、耳元に口を近付ける。 「聞こえませんね。…しつけ直されたいんですか?」 そう囁くと、ぴくりとなまえの体が反応した。 逃げられないように後頭部を押さえつけ、噛みつくように口付ける。 『んんっ……』 舌をねじ込んで、呼吸をする隙も与えないくらいに、深く深く、口内を犯す。 私の肩を押していた手も、舌を絡めるとすぐに力が抜けた。 ふと、思った。 このまま窒息させるのも良いかもしれない。 蜂蜜漬けの罰を ------- 甘いんだか、ヤンデレなんだか……。ドーナツを食べられて怒る、若干Sな佐々木さん。 title by『Aコース』さま |