04
ザアザアと降りしきる雨の中、気がつけば公園のベンチに座っていた。
『…銀時……』
暖かい微笑みも、優しい声も、私にはもうくれなかった。
変わりにくれたのは、冷たく鋭い目と、低くて恐い声。
私が求めたものとはかけ離れたものだった。
『…ッう………』
溢れ出る温かい涙さえも 雨に呑まれて冷たくなっていく。
でも、どうしてだろう。
どんなに冷たく突き放されても、銀時だけは嫌いになれない。
銀時も、華恋に騙されてるだけ。きっと、きっといつか気づいてくれる。
だって、あの頃の優しさは絶対に嘘じゃなかったはずだもの。
「愛してる」って
頭を撫でてくれた大きな手のひらも、
「絶対ェ離さねェ」って
力強く抱き締めてくれた逞しい腕も、
全部全部…
「あらぁ?こんなトコで何してるのかな?」
『!?』
私だけのものだったのに
『ッ…華恋……』
(全部全部、奪われた)
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