シリウス、そう聞いて私はあの綺麗に輝く星を思い出しました。父上の膝で見た、あの輝きをです。私にとってその星の名前のシリウスは父上との思い出の名前で、人の名前は、私の婚約者でした。
それは私が小さい頃から決まっていた事のようでした。それを知ったのは4歳の時、パーティに出席したシリウスのお父様が父上と話しているのを聞いたからでした。

実際のところは、私はシリウスに嫌われてしまっているようです。
よう、という不確定な言葉は本来使ってはいけないのでしょうけど。私からはそうとしか考えられませんでした。

「シリウス、魔法薬学の授業は合同です。一緒に行きましょう」

「お前、いちいちこっちに来るなよ。俺はこいつらと行くんだからよ」

「でも、シリウス。」

「まあまあ、スリザリン生。シリウスの言う通り僕達と行くんだよ、そろそろ諦めてくれないかい」

最初の方こそ、何回かは一緒に行ってくれました。ですが段々とシリウスは自分のことを「おれ」などと言うようになり、制服は着崩すようになりました。それは彼がグリフィンドールに組み分けされたからなのでしょうか。私には未だに理解ができません。

「何度も言ってるけど、お前とは結婚するつもりもないしもう一切関係ないから関わらないでくれ」

やっぱり、私には理解できませんでした。


戻る 次へ
トップ