私がいつ、純血とは処女という意味ではないと気付いたかという話をする。

そもそも家では両親が本当の意味での純血を知る機会を完全に無くしていた。本は許可のあるものしか読むことは許されず、純血のみが参加できるパーティはおろか、外出でさえお母さまのマナー(純血としての振る舞い)許可が降りるまで満足に出来なかった。
そして入学し、トムリドルと出会った。その時迷いなく私は純血だと答えたし、入学当初は一番仲良くするのは純血のみという教えに沿ってそれを聞いてから判断をしていたくらいだった。

知ったのは、それからすぐの時だ。

「名前」

「あら、リドル」

「図書室で会うのは初めてだな。なにか借りに来たのか?」

「そう思って来たけれど、いいものが無くて。リドルのおすすめにしようかしら」

「そうだな。お前は口を開けば純血、純血だからな。こんなのはどうだ」

「初めて見たわ。純血について詳しく載っている本?」

「意外だな。スリザリン一族で読書家の君の事だから家系図も全て読んでいるのかと思った」

「……借りてみるわね。ありがとう」



その日、その本で真実を知った。



騙すつもりなんてなかった。でも、結果としては騙している。それから私が純血と口にする事が減っていった。


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