Blue Sky

ジェイク・ウェスカーから採取された血液は国連へと引き渡された。

それによってこの未曽有のバイオテロは終息を迎えていった。

ジェイクがアルバート・ウェスカーの息子であることはBSAAの判断により機密扱いとなった。

その影響力を懸念しての措置であった。




ナマエミョウジの抗体についても極秘扱いとなる。

彼女は自らの血液を提供することを望んだが、私、シェリー・バーキン そしてジェイク・ミューラーがそれを反対。

いくら機密扱いになるとは言え、極まれな抗体を持つことを知られれば軍による拘束は免れない。

そう、以前の私のように。


結局彼女の父親と母親の行方は分からなかった。


状況からしてすでに死亡していると考えるのが正しいだろう。


シェリーはパソコンをしまいキャビンアテンダントからコーヒーを受け取る。

その横にはいつものように騒がしい二人の姿はない。


何とも言えない空虚感

もう三人で旅をすることはない。

その事実にシェリーは泣きだしそうな表情を浮かべる。


その時彼女の携帯のバイブが音を立てる。


『50ドルに負けといてやった』



そのメールにフッと微笑んだシェリーは飛行機の窓の外を見る。




今生の分かれと言うわけではない。



いつかまた出会う時まで、


「またね、ジェイク ナマエ」





その飛行機をバイクに跨り、携帯をしまいながら一人見上げるジェイク。


「・・・いつかまた会おうぜ。相棒」


そしてサングラスをかけるジェイク。


「おい いつまでチンタラしてるんだよ 

さっさと行くぞ」


いつまでも上空の飛行機を見つめるナマエにジェイクは呆れたように声をかける。


「ううう・・・シェリー・・・」

何とも情けない顔をしているナマエの頭を、バイクを降りて叩くジェイク。

「いったーー!!何すんの!

私けが人なんだからねっ」


絶賛肋骨にヒビが入っている最中である。

そんな女の子の頭ポカポカ叩くなんて信じられない!




「情けない顔してるからだ。
一生の分かれってわけじゃないんだ。分かったらさっさと行くぞ。」


「・・・・・・・」



「なんだよ」


「ジェイク、
サングラス掛けてると厳つい顔がさらに厳つく見えるからやめた方がいいんじゃない?」



無言でナマエの頭をグリグリするジェイク。

「いたったたた!!ごめんなさいっ 

ジェイクの目が見たいなーなんて思っただけなの!」


その言葉にピタリと手を止めるジェイク。


「・・・よくそういう恥ずかしいことサラッと言えるよな」


「ジェイクも大概だと思うよ」



そしてそのサングラスを再びはずした。



現れたのはこの空と同じ、抜けるような青い瞳


たまらず彼の首に勢いよく抱き着く。




「・・・・好き ジェイク」


彼女を受け止めてその背に手を回したジェイク。


「俺もお前を愛している ナマエ・・・」


真っ青な青空の元 二人は口づけあった

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