適当に近くの部屋へ入った二人。
従業員の仮眠室だったのか、そこにはベッドと小さめのソファが置いてあった。
ここも最近まで使われていたのか比較的綺麗だ。
ピアーズは入った途端にベルトを緩めて沢山の武器が入った重そうなタクティカルベストをベッドへ置く。
そのまま自分が着ていたBSAAの腕章が入ったジャケットを脱ぎ、Tシャツだけの姿になる。
さらに躊躇うことなくそれまで脱ぎ去り逞しい身体を露わにする。
割れた腹筋に広い背中、自分にはない筋肉にドキドキが止まらなくなる。
そんな彼女の視線に気が付いたのかピアーズは恥ずかしがることもなく脱いだTシャツを渡してくる。
「…水で濡れたってよりは俺の汗かも。嫌かもしれないけど着替えて。」
慌てて彼から視線をはがしシャツを受け取ろうと近づく。
だがその瞬間、足元に置いてあった何かに足を取られる。
「あっ!!」
慌てて彼女を正面から受け止めようとするピアーズ。
だが突然の事態に反応することができず二人そろって床へとダイブした。
「いったぁ…ごめんなさい、ピアーズさんっ」
可笑しい。
自分の顔面に感じるこの柔らかさは一体なんなのだろうか?
思わずそれに手を触れるピアーズ。
少し濡れていて冷たいが絶妙な柔らかさだ。
男としての本能かしばらくその柔らかさを堪能するピアーズ。
「ん…ふぅ…」
彼女の今まで聞いたことのない甘い声にハッとして我に返る。
「は、離れてくれっ!」
自分から揉んでおいてそれはないだろうとも思ったが、正直ピアーズはそれどころではなかった。
彼女の肩を掴み慌てて身体を離す。
「っ!!」
こうして改めて彼女の身体を見てみると、その服はもはや着ている意味などない位に上半身のラインを明らかにしている。
透けて見えるピンク色の先端が服を着ていることにより一層淫靡さを醸し出していた。
思わずゴクリと生唾を飲むピアーズ。
「ご、ごめんなさいっ!」
慌ててピアーズから離れようとする。
だが二人分の水分で濡れた床はよく滑った。焦って立ち上がろうとしたせいで再び足を取られるナマエ。
「きゃあっ!」
だが今度こそ着地した場所が悪かった。
咄嗟に身体を支えようとして出たナマエの身体はピアーズの太ももに。
だが上手く受け身がとれなかったようでその顔は彼の固い腹に突っ込んでしまっている。
そして先ほどからの煽りを受けて、半分勃ってしまっている自身に押し付けられる柔らかい彼女のバスト。
咄嗟に顔だけ上げるナマエだが視覚にも分かる彼自身の変化に戸惑い着いて行けない。
「えっ…?えっ?ピアーズ、さん…?」
訳がわからないと言ったように立ち上がった彼自身とピアーズの顔を交互に見るナマエ。
やがては恥ずかしそうに自分を上目遣いで見つめてくる。
どう見てもある行為を連想させてしまうこの状況に、ピアーズのモノは完全に勃ち上がってしまう。
自分の胸の間に感じる硬い感触にナマエは自分の身体までもが火照るのを感じる。
ピアーズは無言でナマエの肩を掴んで彼女の身体を離す。
「…俺は外にいるから着替えておいて。」
それだけ言うと部屋から外に出ようとするピアーズ。
だが何を思ったかナマエはピアーズの腕をガッシリと掴んだ。
「ナマエっ!?頼むから今は…」
俺に触らないで、そう言おうとした言葉は声にならなかった。
ナマエがピアーズの唇を奪う。
不慣れながらも懸命に絡めようとしてくる口づけにピアーズは煽られる。
「ナマエっ…!これ以上されれば、俺は君に何をするか分からないっ…!」
最後の理性を必死に手繰り寄せてピアーズは叫ぶ。
「……ピアーズさん。
_______好きです」
その瞬間緊張した糸の様に張りつめていた彼の理性はプツンと切れた。