We love you.


 


得意な事が違っても。
性格が全く違っても。

やっぱり双子は双子。

その本質は全く一緒。



じゃなきゃ、



こんなあたしに
二人してぞっこんだなんて、
有り得ない。






『We love you.』






もうすぐ二人の誕生日。
何が欲しいかと尋ねたら、

「君」
「お前」

異口異音、但し同義。

……生憎あたしはモノじゃないし、
ヒトにあげられるモノでもない。

二人共、解ってるのかしら?



「わかってるよ。でも僕は」
「俺はお前が欲しいんだ」



「あたしが欲しいなら」
「それ相応の見返りを頂戴」

「……あたしは、高いわよ?」






どうして僕は
彼女じゃないと駄目なんだろう。

プレゼントにかこつけて、
彼女自身をねだってみた。
見返りを要求されるなんて
思わなかったけど、それでも
条件付きのOK。

だけど僕が求める彼女に
相応しい見返りなんてそうそう無い。
家財はいくらでもあるけれど、
家のモノで僕のモノではない。

僕が彼女にあげられるモノは、
結局ひとつしかないんだ。



どうして俺は
アイツじゃないとダメなんだろう。

雅季には渡したくなくて、
アイツが欲しいって言った。
「それ相応の見返りを頂戴」って。
見返りを用意したら
オッケーってことだよな?

でも見返りって何がいいんだ?
何ならいいんだ?
カネは俺のものであり、
アイツや雅季のものでもある。

ああ。ひとつあったな。
俺がアイツにやれるもの。






「僕の見返りは」
「俺の見返りは」
「僕だよ」
「俺だよ」



あたしは嗤った。
ああ。やっぱり双子だわ。
用意した答えも一緒だなんて。

「それじゃ選べないじゃない」

何か言いたそうな、
不満げな表情も一緒。

……仕方ないわね。



「じゃ、あたしから」
「あなたたちへプレゼント」

「あたしの隣に居る、優先権」



一番近くで、あなたたちを見せて。
そしてあたしに、選ばせて。

そうしたら、

来年の誕生日には、
あたしをあげられるかも知れないから。



「望むところだね」
「絶対俺を選ばせてやる」



不敵に笑う顔も、一緒。

さあ、あたしは選べるのかしら?
二人のうち、どちらかを。

それはきっと、二人次第。



 


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