流星群
リー「今晩、流星群が見えるそうですよ」
ネジ「流星群?」
リー「はい!これを見逃したら、もうこんなにすごいのは見られないそうです!」
ネジ「そうなのか。でも、オレたちは見られそうにないな」
リー「そうですね、今晩は夜通しの任務になりそうですからね」
ガイ「お前ら!なにをつまらんことを言ってる!!これを見逃したらもう見られないかもしれない流星群だぞ!?ええい、見逃してなるものか!!!」
リー「先生!で、でも、任務を投げ出す訳にもいかないし…」
ガイ「何も任務を投げろと言っているわけではないぞ!その諦めているお前らの心に檄をとばしているのだ!!リーよ、いつ見られるか分からないものでも、そうでないものでも、我々はたくさんのものを見逃しすぎているんだ…!!流星群もその中のひとつだ、この先見られる保障などどこにもない、お前が忍を続ける限り、そんなものは星の数ほどある」
ネジ「オレたち忍びは、いつ死ぬか分からないからな」
ガイ「そうだ!ネジの言う通り!何の根拠もないこの世界に、ただ一つ変わらず訪れるのは己の肉体の死のみだ!!それを知っていて人生を素通りするようなお前らに、青春なんて訪れやしないぞ!」
リー「おおおお、なるほど…!僕はなんてバカなことをしていたんでしょうか…!!ネジ、今回の任務は予定の三倍はやく終わらせましょう!そして夜までに里に帰って、休暇中のテンテンを迎えに行って、みんなで流星群をみましょう!!!」
ネジ「お前は、本当にいつも無茶なことを言うな。でも、まぁ悪くはない、見逃すのは癪だからな」
ガイ「よし!!それでこそ、俺の弟子だぁぁぁ!!!!」
ネジ「たまには良いことを言うんですね、ガイ先生」
ガイ「ん?わはは、そうだろう!それにしてもネジ、お前も人間らしくなったなぁ。昔はこれ以上ない冷めた性格をしていたからな。俺は嬉しいぞ」
ネジ「人間らしくって…」
リー「僕もそう思います!ネジ、任務がんばりましょう!素晴らしい流星群のために!」
ガイ「ああ、そしてその感動こそがお前らの生きた証になるんだ!よし、ではいくぞ!」
リー「押忍!!!」
ネジ「……そして、また明日を生きる糧にするんだな。まったく、くさい台詞だ」
そして、その晩、ネジたち4人が空を眺めると星はいくつも流れていた。
おしまい