あとがき

まず初めに、このお話に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
私なりの夏油の根本にある優しい部分と、まじめな部分をイメージして書いたのですが、いかがでしたか?

このお話のテーマは「幸せ」です。
傑と一緒にいることが「幸せ」だった由紀と、過去を繰り返すうちに彼女の死に囚われて、彼女が生きていることこそが「幸せ」だと思い込んでしまった夏油の、悲しいすれ違いのお話でした。
そもそも最初に過去に戻った時点で夏油は呪われているので、もしかしたら最初から幸せになる未来はなかったのかもしれません。それでも、五条や家入に相談していれば、明るい未来が待っていたのかも。そういう部分をさらけ出せないのが夏油の悲しい部分かなと。
五条から夏油の真実を聞いた由紀さんは、どう思うのでしょうか。人によって考えは様々だと思うのでそこまでは描きませんでしたが、私は、彼のために強く長生きしてほしいななんて思います。

実は、このお話はたくさんの反響をいただいていました。そのほとんどが、「2人には幸せになってほしい」というものでした。私も、「傑〜幸せになってくれ〜!」なんて思いながら書いていましたが、結末はこれです。ごめんなさい。皆さんのコメントを見ながら、これはハッピーエンドにした方がいいのかなと少し迷いましたが、やっぱり書きたかったものを書こうと貫かせていただきました。しかも気づいたら由紀さんが途中から全然出てこない…。でも後悔はしていません。いつかまた別のお話で、ちゃんと夏油が幸せになれるお話を書きます。

終始暗い雰囲気でしたが、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました!
皆様からの感想、心よりお待ちしております!



優子






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