「好きです、先輩。ずっと、好きだったんです」
泣きそうな俺の頭を、先輩は優しく撫でながら、
「知ってたわよ?私もね、実はずっと想ってたもの」
最悪のハプニングの後の、最高のハプニング。
頭から全部、溶け出しそうだ。
あんなに、冷めた体が、芯から熱く血潮がたぎるようで。
「愛してます、先輩」
勢いづいた俺に、笑う先輩。
優しく頬に、口づけをくれた。
照れたみたいな先輩が、可愛いと思う。
今日は、幸せだと思えたりして。
(海には、二度と行かないだろうが)
だって俺、泳げねぇんだもん。
- 3 -
mae : ato bkm