想いの丈比べ
相も変わらず、ちぐはぐな言葉を紡ぐ。
愛しいハズのあいつを、私という名のパラドックスワールドで迷子にしちゃう。
「いい加減、飽きてきたんじゃない?」
そう思っても、あいつも相変わらずで、馬鹿みたいに真剣な顔をして。
いい加減な、ペシミスト気分に浸って眠る。
そんな私のことだって、鮮烈で愚鈍な言葉で毎朝目覚めさせてくれるの。
ただのお人好しだって、ここまで私にかまけてなんていられないでしょうね。
なのに、あいつは、未だに私の隣で、泣いたり、笑ったり。
本当に馬鹿みたいに、何時だって全力投球だ。
(本当に馬鹿なのは、私でしょ?)
わかってるの。好きだって。
しかも、もの凄く強く想っていて。
大好きって言えるようになりたいと、願っていた。
言ってしまったら、嘘みたいに楽になった。
なんて、呆気ないのかしら、と思いつも。
結局のところ、私はあいつを嫌いになったり、ましてや、離れたりなんて出来ないのでしょう。
今日も、相も変わらず、ちぐはぐな言葉遊びであいつを迷宮入りしてあげちゃうんだから。見てらっしゃい、純朴少年。
アシンメトリーなあたしを、今日も抱いて。
笑い満ちる時、想いに丈比べなぞ必要ないと知った秋晴れの今日。
(離さない、離せない)
お題 : 飴色ファジー
『アシンメトリーなあたし』
※ このお話は、以前やっていた別のサイトにて公開していたものを加筆修正したものです。
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