惰性と熱情
ねぇ、なんで一緒にいるんだろう。
あの人には、初めから好きな人がいたのに。
なんで、言ってしまったんだろう。
「なんで?…そんなの、好きだからに決まってるじゃない」
何であんなにストレートに言えたのか?
(そりゃあ、好きだからに決まってるんだけど)
「鈴花は、ただの幼なじみだろ」
馬鹿言わないでよ。
ずっと目で追って、その表情に一喜一憂。
そんなこと、私との関係にはないのに。
こんなにも深い溝と、冷めた関係。
惰性で続ける恋愛ごっこ。
いつまで、こんな虚しいお遊びが続くのかしらね?
(嗚呼、なんて残酷な恋に堕ちたのかしら)
(まるで、罰ゲームみたいよね)
こんなに笑えない冗談なんて、いらないわ。
恋って残酷なのね
△ top しおり