ソルト

ずっと一緒にいても、わからないことがたくさんある。

好きってだけでは、近づけない距離が確かにあって。

それが、私を不安にさせる。

そして、それが不満なのだ。

―――……


怖いくらい、いつもみたいに笑ってくれるのに。

わかんないよ。何考えてるのか。

だけど、もう何も言わなくていいよ。

見え透いた嘘も、優しい嘘も、いらないから。

『その声で、私の名前を呼ばないでくれ』とは言えない。


(本当は、臆病で欲張りな自分に浸る感じがたまらないんでしょ?)

そんな皮肉な気分がしてる。

だけど、ちょっと彼の手料理は何時もよりしょっぱかったよ。

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