彗星の如く
しんしんと、雪はただ降り積もる。
彼の御霊も包みながら、ただ粛々と空から舞い、落ちて行くのだった。
彼女は降り積もる雪景色が、とても好きだった。
僕の隣で微笑みを湛え、雪玉を作ったりして。
毎年、同じ事をして飽きないのだから、ずいぶん幸せな頭をしているのだろう。
雪玉で遊ぶ年頃など、とうに過ぎているのだから、尚更だと思う。
そうして、彼女と何度も冬を越して来た。
降り積もる雪は、時として容赦はなくて。
それでも、胸の踊るのを止められはしない。
何時だって、彼女と共に迎えて来たのだ。
冬、を。
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