秋晴れの空を舞う、幸運の証。
「私の肩へいらっしゃい」
優しく微笑む、少女が僕を手招きしていた。
気まぐれに、気ままな旅。
少しくらい羽を休めても構わないだろう。
少女の肩で羽を休めていると、道行く人の視線を集めた。
そんなことは、お構いなしに少女は鼻歌を歌いながら公園を散歩している。
僕と同じ気ままな時をいくんだな、と思う。
「ねぇ、鳥さん。私、メアリーというの。フレデリック・メアリーね」
ふふっと笑う少女は、桃色のぷっくりした頬が可愛い。
(美味しそうな、ほっぺ。きっと柔らかいだろうな)
「鳥さん、鳥さん、私貴方に恋しちゃったわ」
突然の耳を疑う一言と共に、頬にキス。
驚いて、飛び立った僕を、少女はいつまでも優しく見送ってくれていた。
きっと少女の元へ、僕はまた通うことになるんだ。
(わわわ、キスされちゃったよ)
彼女のセキセイインコのロザンナには、なんて言おうか……
動揺と迷いが反映されたように、空を飛ぶ姿にも現れたり。
フラフラ危なげに飛ぶのを、すれ違ったカラスに叱られたもの。
![](//img.mobilerz.net/sozai/63.gif)
青い鳥は、緋色に染まるわ
(まるで、夕日に染まったようだね)
恋をしたのか
キウイベア様の11月のお題【鳥】に寄せて。
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