秋晴れの空を舞う、幸運の証。

「私の肩へいらっしゃい」

優しく微笑む、少女が僕を手招きしていた。

気まぐれに、気ままな旅。

少しくらい羽を休めても構わないだろう。

少女の肩で羽を休めていると、道行く人の視線を集めた。

そんなことは、お構いなしに少女は鼻歌を歌いながら公園を散歩している。

僕と同じ気ままな時をいくんだな、と思う。

「ねぇ、鳥さん。私、メアリーというの。フレデリック・メアリーね」

ふふっと笑う少女は、桃色のぷっくりした頬が可愛い。

(美味しそうな、ほっぺ。きっと柔らかいだろうな)

「鳥さん、鳥さん、私貴方に恋しちゃったわ」

突然の耳を疑う一言と共に、頬にキス。

驚いて、飛び立った僕を、少女はいつまでも優しく見送ってくれていた。

きっと少女の元へ、僕はまた通うことになるんだ。

(わわわ、キスされちゃったよ)

彼女のセキセイインコのロザンナには、なんて言おうか……

動揺と迷いが反映されたように、空を飛ぶ姿にも現れたり。

フラフラ危なげに飛ぶのを、すれ違ったカラスに叱られたもの。



青い鳥は、緋色に染まるわ

(まるで、夕日に染まったようだね)



キウイベア様の11月のお題【鳥】に寄せて。


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