白い猫。茶色いぶちのついたぬいぐるみ。

あの子は、私の三つの誕生日にやってきた。

お尻についた袋に、ニャーニャー鳴くように音が鳴るのが入っていて。

あれを、洗濯機の中を覗いた時に落として壊してしまったり。

そんなこともあったっけ。

懐かしい、鮮明なる記憶。

五つになる頃、家の前にかかる虹を、あの子を抱きしめて見ていた。

そして、あの子に『あきちゃん』という名前をあげた。

小さくて、優しい、あの子はずっと私と一緒で。

色んなところに出かけたんだ。

たくさん遊んで、一緒に寝ていたの。

汚れていくあの子だけど、それと比例するほど大切にしていたの。

だけど今は、押し入れの箱でおやすみしてる。

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mae : ato bkm
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