●○15●○



白い雲に、輝く太陽。
蓮は気付くと草原に寝転がって空を眺めていた。

「此所は…何処だ?」

息も苦しくない。
体に異常が無い事に蓮はびっくりしていた。
地上じゃない所。
此所は天国なのかな……………
けれど、よく見ると、紙飛行機を渡し会っていた場所だ。
立ち上がり周りを見渡す。

「確かにそうだ…」

けれど、柵に囲まれている。

「天国でも柵…あるの?」

蓮は溜息を吐きながら
紙飛行機を交わしあった場所に向かった。
人影が見える。あのシルエットは…
















そこには、彼女がいた














「君は…………………………!」

「貴方は!」

やっと出逢えた。
蓮が手を伸ばすと、邪魔だった柵が一瞬にして消え去った
柵も壁も無い。触れて、話せる。
まず、一番に聞きたい事があった。

「君の…名前は…」

その時、後ろから、蓮の言葉を遮って話に入ってくる輩がいた。

「ラブラブだぁ――〜〜!」

その、存在を見付けた蓮は目に涙を溜めた。

「…虎之介」

「…うん、蓮
久しぶり。」

蓮は静かに、けれどしっかりと虎之介に抱きついた。

「虎っ…虎っ…会いたかった
あの娘にも会えたよ!!」

虎之介は照れたように笑って
「始まりは何時もここからだ」と言った。

虎之介も蓮を抱き締め返した。

「うん、蓮、会いたかった。
俺さ、家族全員とも会えたんだ」

蓮は苦い顔で笑ったが
虎之介は笑顔でただ頷くだけだった。

それから蓮と虎之介は色々話したが
虎之介が気を聞かせて鈴と蓮を二人きりにしていった。

二人になると、蓮は話したい事が多すぎてなかなか話始められなかった。
だから、静かにまずは鈴を抱き締めた。

「僕は、蓮。君は?」

鈴は、顔を真っ赤だった
そして、初めてあったあの時の笑顔で答えた。

「私は、鈴」

蓮は柔らかな笑顔で笑うと頷いた。

「鈴、鈴。綺麗な名前だ。
喋りたかった。会いたかった」

蓮は溢れ出す想いが押さえられなかった。

「蓮、私も、会いたかった。これから毎日喋れるのね」

二人は強く強く抱き締めあった。



白い雲に、輝く太陽。
二人を遮るものは何も無い。
ただ二人は、静かに話を始めた。








〜囚人と紙飛行機。本編END〜




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