おおかみのお話の中の赤ずきん。 僕は出逢いました 可愛かった人間でした 可愛かった女の子でした 可愛かった赤ずきんでした でも、無理でした 何も僕はしませんでした、しなかったはずでした 違いました、僕はもうしていました 僕はおおかみでした。 だから僕は無理でした。 無理だったんです。 僕は、泣きました。 だから僕は、彼女を人間を赤ずきんを―――――――――――――――――――――食べました――――――――――――――――――――――――――――――――――。 そして僕はきっと“また”お腹を裂かれて、赤ずきんは助け出された後、お腹に石を詰められて殺されます。 君には何時も、 「ごめんね」 も 「好き」 も 言えないままでさ。 繰り返していくんだ、おおかみってだけでさ―――――――。 ―――後書き――― 赤ずきんにスポットを当てずにおおかみ側にスポットを当ててみた話。 おおかみは繰り返していく「赤ずきん」の物語で涙を流しながら悪役をしていくんだと思うんだ。 2013年 7月1日 |