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舞桜が帰ってから約一時間。
舞桜の言っていた事を頭の中で纏めていた。

舞桜は話終わった後
「闇には気を付けて」と言って
入ってきた窓から帰って?行った。

僕にはまだ聞きたい事があったのに…

舞桜の事をもっと
「光」「闇」「深淵」の事をもっと知る必要がある。

けれど
舞桜とはこれから毎日
あの桜の木の下
「桜が舞う頃」会いに来ると約束をした

けれど、桜が舞う頃って何時なんだ?

そんな事を考えていると
下から母さんの声が聞こえた。

「ただいま〜
遅くなってごめんね〜」

本当に…遅いよ

僕は、リビングに向かって階段を降りた

















次の日
今、僕はあの桜の木の前に居る
前と変わらず、悲しそうだ
舞桜はいない 風が吹いていないからだろうか?

僕は静かに、桜の木に手を伸ばし触ってみた
舞桜は言っていたな…
「貴方の感じた恐怖を感じている」と
だとすると、今の桜の木は昨日僕が受けた、苦しみや悲しみを背負っているのか?

確かに、あれだけ舞桜と色々な事があったのに
次の日には必ず、スッキリとして
学校に行っている

もし、僕の苦しみや悲しみを背負っているのならば
どうにか解放してあげなければいけない
でも、舞桜はこうも言っていた
『この桜に、誰かが
貴方を堕とそうと細工をしたのね…』と
僕を「闇」に堕とそうとして細工をしたとしたら
僕はどうしたらいいのだろうか

この事も舞桜に聞いてみよう。

僕は桜の木から手を離し
久しぶりに学校まで走って行った。






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