正義の正体
Q、あなたは正義感が強い方ですか?
A、はい、無駄に
『た、たのもー!!!』
誰か可哀想な私の頭の辞書にもっとレパートリーをください。
「あぁ゛!?誰だてめぇ」
すると3人とも同時にこっちを向いてきた。めっちゃ睨んできました。怖いですよー!!!あぁ…チキンなのに…チキンなのにさ!!!無駄にある自分の正義感が勝って勝手に体を動かすんだよ!!!
『お、女の子に刃物とか危ないもの向けちゃいけないと思いますっっ!!!』
しーん
沈黙すること数十秒。そして男共は何だか自分のことをじろじろ見てくる。
「「「ぷっ……ぎゃははははは!!!」」」
そんな風にふと疑問に思ったら、なんとも汚い笑い声が帰ってきた。あれ?自分変なことは言った覚え無いんだけどな?
「あはは…お前さ、今の状況判ってんの?」
いや逆にこっちが聞きたいんだけど…
「いやぁ〜勇ましいセリフで出てきたからどんな奴かと思ったら女じゃん!」
「女の子が女の子助けようとするのは格好いいけどさ…」
「俺たちが言葉だけで動くと思う?まぁ逆ナンってなら相手してあげるけど」
3人がそれぞれのことを言う。その言葉にカチンときた。怒りのせいで、さっきまでのチキン根性はどこかに行ってしまわれた。
嘗めている完全に…
そもそも女の子が女の子助けようとして何が悪い。
男女平等な社会になっているって言ってるけど未だに男尊女卑な部分は消えていない。私はそれが一番嫌いなんだ。
男子は何でも女子の上なんてのは死んでもゴメンだ。
『あんたらみたいなジャガイモに誰が逆ナンなんてするかバーカ!!!しかも男3人で1人の女の子口説いてるって!逆にジャガイモに謝れっっ!!!』
案の定3人は見た目通り沸点が低いようで、顔は見る見るうちに赤くなった。
ナイフを持ってる男が凉の胸ぐらを掴んだ。
その時、志村さんが制止の言葉を叫んだのがわかった。
「おい、あんまり図に乗んなよ!!!しかもジャガイモ関係ないだろぉが!!!」
「汚い触るな。カス」
ぺっと相手の顔に唾を飛ばす!!!メンチ切るなら負けないよ!!!
「テメッ!!!」
男はナイフを振り上げて凉に向けて真っ逆さまに下ろした。
「遅い。」
がしっと凉が落ちてきた男の腕を掴み、そのままひねりあげ、がら空きになった胴に蹴りを入れる。
「ぐふぉあ!!!」
勢いで壁に叩きつけられ、そのまま男はピクリとも動かなくなった。たぶん気絶したのだろう。
「そんなに弱いくせに喧嘩しようなんて思うなよ…。」
はぁ…とため息をつき残りの二人を睨む。顔は真っ青になっている。
その時、男達はある噂話を思い出した。それは黒の学ランを着て戦う"黒鬼"の話を。
「次、どっち?」
「う、うわぁ!!!」
男共は悲鳴をあげてバタバタと逃げていった。一応気絶した奴も引きずるようにつれて帰った。
「はっ!喧嘩もしたこと無いような童[わっぱ]が粋がってナイフなんか持ってんじゃねえっての。」
コレだから最近の若い奴は…
「永瀬…凉さん?」
あ…彼女の存在を忘れていました…え?…………み、見られた…よね…?
や、やらかしたぁぁああ!!!!!!
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