正義の平和な帰り道
もう日はすっかり落ち辺りはもう暗くなり始めている。そんな中、凉は今日1日の事をぼんやりと考えながら帰路についていた。
スゴく濃い1日だったな…
あの後凉は転校生がいかにも味わうような質問責めを食らった。
しかもかなり3-Zの面々は個性が強く質問が余りにもすごかった。とにかくすごかった…。
『まぁ、みんなフレンドリーだったから心配はないかな。』
と、苦笑い。質問はスゴかったが何かとみんな気を使ってくれているのは分かったし、居心地は前の学校よりは良かったのは確かだった。
しばらく歩いていると、道の影の方からからか声が聞こえてきた。
「ねぇってば!少しだけでも付き合ってよ!」
「そうそう!どうせお互いに暇でしょ」
「俺達さいい店知ってるからさぁ〜」
あぁ…つまりナンパってやつですね。しかも三人!そしてかなり典型的な!いまどきのナンパの最前線なんて知らないけど、なんとなく古臭いな…
なんて思って歩いているといかにもな感じの方々が見えました。
「いえ…あの…大丈夫ですから…」
女の子ビビってんじゃん…影の方から見守る自分ははたから見れば不審人物だろう。
「えー良いじゃん行こうよー」
「君、銀魂高校?へーあの学校ってこんな清楚な感じの子いたんだね。」
え?銀魂高校??
「あの…ホントに大丈夫なので…家で弟が待ってるので…」
銀魂高校って自分の学校じゃね?と思いナンパされている女の人をちゃんと見る。
それは同じクラスの”志村妙”だった。確か第一声に”この学校にストカーが何人かいるから気を付けて”と言われたから印象に残っていた。その彼女が今まさに柄の悪いお兄さんたちに絡まれている。
「つれないなー」
シャンと金属音がした。リーダー格の男の人がナイフを志村妙に向けたのだ。
「――っ!」
「まぁ、痛い思いしたくないなら俺たちと一緒においで。」
そう言うと、ナイフをこれ見よがしに見せつけながら志村妙に徐々に近づいていく。
月光に照らされたナイフの反射した光が凉の顔に当たった。
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