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逃げ惑う浪士たちを真選組の隊士達はは容赦なく追いかけていく。


「なななななんなんですかあの人等!?」


新八は追いかけてくる黒い制服を着た人たちから必死の思いで逃げながら桂に問う。


「武装警察【真選組】反乱分子を即時処分する対テロ用特殊部隊だ。厄介なのに捕まったなどうしますボス?」


あくまで桂は冷静に対処し銀時に聞くが、銀時はその態度と発言からカチンときた。



「だーれがボスだ!!お前が一番厄介なんだよ!!」


そもそも、こいつらのテロ活動に巻き込まれたことが事の始まりであり、自分たちは被害者で正直追われる筋合いはない。



銀時のイライラが頂点に来そうなとき、また神楽が追い討ちをかけるような発言をする。


「ヅラ、ボスなら私に任せるヨロシ。善行でも悪行でもやるからには大将やるのが私のモットーよ」


「オメーは黙ってろ!!何その戦国大名みてーなモットー!」


と、なんとも空気の読めていない会話が繰り広げられている。

しかし、それを打ち破るかのように後ろから「オイ」と聞こえ銀時が振り返るか振り返らないぐらいの時に頭スレスレにヒュッと刀がかすった。


「ぬを!!」


数本の髪がはらりと舞う中瞳孔全開の男が俺を見下ろしてくる。


え?真選組なの?この人ヤのつく危ないご職業の方の間違いじゃない?


「逃げるこたァねーだろ、せっかっくの喧嘩だ楽しもうや」


「オイオイおめーホントに役人か?よく面接通ったな瞳孔が開いてんぞ」


銀時はすくりと立ち上がり土方と向き合うような形で立つ。とりあえずムカつくのだ。


「人のこと言えた義理かてめー!死んだ魚のよーな瞳ェしやがってっっ!!!」


「いいんだよいざという時はキラめくから」


やいやいとまるで小学生のように言い荒そう二人の姿は、あまりにもも滑稽すぎた。


携帯で撮影したら何かに使えるかな?と椿は思った。


すると、今までどこにいたのやら謎だが沖田がどこからともなく現れた。


「お!やってやすねぃ」


スタスタとマイペース炸裂の沖田は何の悪びれもなく椿の隣にくる。


『あ、沖田隊長今までどこいってたんですか?』


「ん?それは大人の秘密でぃ。土方さん危ないですぜ」


『秘密って?』と#浅川#が沖田に聴こうとし、彼のことを見ようとした時、自分の真横からとてつもない轟音と熱風が自分の身体を覆う。


いきなりの出来事で何事かと思った椿はその正体を確認するべく、いきなりの衝撃に閉じてしまった目をこじ開けるように開いた。


そして、その正体は沖田の放ったバズーカであった。もちろん狙い先は土方がいたところである。


「うおわァァァ!!」


土方は間一髪でよけた。


「生きてやすか土方さん」


沖田の瞳は全然土方を心配しているようには見えなかった。ってことは確信犯だなこれ。流石は沖田隊長。先輩のやり方は一味違うぜ!


「バカヤロー!おっ死ぬところだったぜ!!!」


「チッしくじったか」


「しくじったって何だ!!!オイッこっちみろや!!!つか浅川は何そいつに尊敬の眼差ししてんだ!!!」


『いや、余りにも鮮やか過ぎるテクニックだったので!流石は沖田隊長です!!!やっぱり隊長となると一味違うなぁ〜』


「ふっ椿にはまだ早いかもしれやせんがねぃ時間があったら教えてやりまさぁ。」


『あざーす!!!』


「どこの部活ぅぅうう!!!人殺すのを清々しく教えてんじゃねぇよっっ!!!」


「あ…あの…副長、沖田隊長…」


きゃんきゃんやっている3人の喧嘩を止めるかのように山崎が割って入ってきた。


「副長達がお話されている間にテロリスト達が部屋に立てこもったんですけど…」


「「『え、マジ?』」」


こういう時は息がぴったりである。




「オイッ出てきやがれ!無駄な抵抗は止めな!」


襖の向こうからの返事はない。

「ここは15階だ!逃げ場なんて何処にも無いんだよ!!!」


やはり相手からの返事は全くない。


『…副長もう押し入りませんか?いくら待っても出てこないですってば。』


「確かにな…オーイ出てこーいマジで撃っちゃうぞ〜」


かれこれ立てこもってから何十分かはたっている。てか早く終わってくれないと愛しのピン子様のドラマに間に合わなくなる。


「土方さん夕方のドラマの再放送始まっちゃいますぜ」


「やべぇビデオの予約すんの忘れてた」


『大丈夫です副長、私がきっちり予約しときました。だから安心して仕事を全うしてください…んじゃ☆』


あぁ!!!やっと愛しのピン子様に会え…


「待てコラ、まだ事が終わってねぇだろうが!!!」


さぁ帰ろうと後ろを振り向いた椿だったが途端に襟を思いっきり引かれ帰ることは土方によって阻まれた。


ピン子ぉぉおお!!!


『ぐえっ!!!いやいや隊士一人いなくなったって大丈夫ですよ!!!私のピン子愛を舐めるなよ!!!』


「知るかんなもんっっ!ったく…さっさと終わらせるぞ!発射用意!!!」


ドゴォォンッッ!!!


言い終わったと同時に襖が蹴破られる。いきなりの事で一瞬唖然とした真選組だったが、さすがの先輩方の切り替えは早かった。


「爆弾持ってんぞコイツ!!!」

逃げる意味で。


『ひひひひ土方さん!!!テロリストが爆弾持ってますよぉぉおお!!!』


「いいから今は黙って逃げろ!!!」


テロリストのことなんかお構いなしでみんな四方八方に逃げていく。もちろん椿も例外ではなく、我先にと走る。


「椿〜お前ひとっ走りして爆弾止めてきなせぇ」


『ななななななに言ってるんですか!!!私はまだ生きますよ!!!ピン子の直筆サインを貰うまで死ねるかぁぁああ!!!』


愛するピン子の為になら例え日の中水の中だコノヤロー。


「ほあちゃぁぁああ!!!」


「ぬおおぉぉぉおおお!!!」


白っぽい塊がもの凄い速さで脇を通過していった。は?なにあれ?


『沖田隊長今のは…』


後ろを振り向くとあたふたしている眼鏡とどや顔のチャイナ娘。


『人ってあんなに飛ぶんですね…』


「飛ぶ…んだろぃ…」


割れた窓ガラスから見える空はとても青々としていてきれいな空でした。



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