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「えー、それでは、球技大会のチーム決めをします。どれに参加したいか言ってくださーい」


来月行われる球技大会。今日のLHRで、誰がどの種目に参加するかのチーム決めをするんだ。


「種目は男子はサッカーとバレーボール、女子はバスケとソフトボール」


前に出ている体育委員が議事進行。
うちのI組は特別自己中心的な人はいないし、協調性のない人もいない。つまり全体的に平和主義なクラスだ。みんななんだかほんわかしてる気がする。だからか、こんな決め事でもすごくあっさりとスムーズに終わりそう。


「真帆はどっち出んの?」

「そうだなぁ…」


女子テニス部もそれなりに練習はキツいけど、私はちょっと走りっぱなしというのが苦手だ。マラソンとかマラソンとかマラソンとか。


「ソフトボールにしようかな。3回裏までだし、体力は持ちそう」

「じゃああたしもそうしよっと。体育委員ー、あたしと成海さん、ソフトに参加したいでーす」


平和なI組らしく、じゃああたし背高いしバスケにするわーとか、ソフトボールは人数必要だしソフトボールにしまーすなんて、みんなクラスの為になるようにと参加表明をしていった。…もしかして、このクラス内じゃ私が一番自己中なのかも。


「ねぇねぇ真帆、丸井くんはどっちに参加するんだろうね?」

「…うーん、何となくだけどサッカーかなぁ。すごく上手いし」


ほんとに何となくだ。というか体育の授業で見てるからか、そんなイメージがある。

そしてちらっと黒板を見ると、男子のチーム分けが書かれていた。ジャッカルくんはサッカーに参加するらしい。ってことは、丸井くんもサッカーだろうと、これも何となくの根拠になった気がした。


「まっ、どっちにしろB組と当たったら、真帆はうちらの敵になるもんね」

「え!?」

「だってー、真帆は丸井くん応援するでしょ?」


確かに。心の中では丸井くんを全力で応援するけど。…いやでも、さすがにそれを表には出せない。恥ずかしいっていうか、クラスに悪いし。


「そ、そんなことないよ!ちゃんとI組応援するし!」

「ふふー、そりゃ楽しみだ」


美岬は心底楽しそうな笑顔を見せた。…楽しそうな、というか楽しんでるんだな。

美岬にはあんなことを言ったけど。実際当たったら、きっと心の中では丸井くんのことを応援しちゃうだろう。
やっぱりうちのクラス内じゃ、私が一番自己中なのかもしれない。


「あたしピッチャーやるからさ、真帆キャッチャーやってよ」

「えぇ!?」

「ピッチャーってなんかカッコいいし!真帆も一緒に特訓しようね!」


私は自己中だけど、美岬もそこそこ…。いや、とにかく頑張る!
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