ぱん!2!(154522)/1111 memo
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夢見のララバイ

「何やら不機嫌そうだな、時臣よ」

ゆらゆらと紅いワインを燻らせながら、ギルガメッシュは呟いた。燻らせるワインに映る時臣は、誰が見ても普段と何ら変わらないように見えるがギルガメッシュには違いが分かるのだろう。ワインボトルを持つ時臣はギルガメッシュを見つめながら普段と変わらない様子で口を開いた。

「…何も変わりはありません、王の中の王よ」
「戯言を。さては昨夜の行為でまだ腰が痛いか?」
「……」
「図星か。フン、あの程度でこれとは先が思いやられるな」

ギルガメッシュはグラスに残っていたワインを一気に飲み干し、にやりと楽しそうに微笑んだ。時臣はグラスにワインを注ぐためにギルガメッシュに近づく。

「…先、とは」
「何だ、もう嫌か?」
「…いえ」

ギルガメッシュが差し出したグラスにゆっくりとワインを注ぐ。時臣が注ぎ終わるとギルガメッシュはまた燻らせ始めた。

「時臣、跪け」
「……はい」

何の抵抗もなしに時臣はギルガメッシュの足下に跪く。ギルガメッシュはそれを見下しながら詰まらなそうに仰け反り、右手に持ったワインの入ったグラスを傾けた。

ばしゃり。紅いワインが時臣の頭にかかる。ワインをかけられても顔を上げない時臣の髪からはワインが床に滴った。

「本当に詰まらないな、貴様は」
「……申し訳、ありません」

床に広がるワインの紅が綺麗にタイルに沿って流れるのを見て、その馬鹿正直さに時臣は顔をしかめた。












20120123

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