ぱん!2!(154526)/1111 memo
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▼参加ランクZERO/Fate腐
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死なせたがり



「ねえ、旦那。もし明日死んだらどうする?」
「死んだら、ですか」
「うん。いきなり、何の前兆もなく」

彼が何故いきなりそんなことを言ったのかよく分からなかった。ただの思いつきなのか、興味があったのか。彼とは気が合うが、全てが分かる訳でもなく。
とりあえずは返答しようと思い、龍之介を見るとにこにこと笑いながらこちらを見ている。手に持ったナイフを器用にくるくると回してダーツのように壁に張りつけた死体に投げる。それをさっきから繰り返しているのを見る限り、きっと戯れに聞いてきたのだろう。そうですね、と一息おいて思案する。

「今の私に死ぬ、などという概念はないのですが…もし死ぬとすればきっと貴方を殺してみせましょう」
「俺を?」
「ええ。貴方の最期を是非見てみたい」
「本当?」

パッと表情を明るくした龍之介は、ナイフを投げるのをやめて私に後ろから飛び付く。足を腹に回してあらんかぎりの力で抱き締めているだろう龍之介は耳元で囁いた。

「俺も、旦那を殺してみたいよ」
「貴方に殺されるなら、いいかもしれませんね」

そう言うと龍之介は更に力を込めて抱き締めてくる。自然に綻ぶ顔を抑えながらも、酷く高揚した気分だった。












20120122

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