ぱん!2!(154528)/1111 memo
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▼参加ランクZERO/Fate腐
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指先の微熱

※綺礼と切嗣が同棲設定



水道から流れ落ちる水の音と、がしゃがしゃと皿を洗う音だけが部屋に響く。
台所から見えるリビングには綺礼が皿を洗う切嗣を、ソファーに座りながらただ見ている。キュッと水道を止める音が聞こえると、綺礼は切嗣を見るのをやめてソファーに深く座り込んだ。

切嗣が手をタオルで拭きながら綺礼に近づくと、途端に伸びてきた手に引っ張られソファーに押し倒されていた。

「なんだい、昨日やったばかりだろ」
「…欲情させたのは貴方だ」

どこに欲情する要素があったのだろう、と切嗣が思案していると綺礼は切嗣の左手を取って指先に口を寄せた。その指先には切嗣のイメージには不似合いな絆創膏が巻かれていた。それの端を綺礼は器用に歯で噛み、絆創膏を剥がす。

「…なにがしたいんだ」
「…この傷は、私に料理を作るために出来た傷だろう」
「…」

確かに苦労して、綺礼のために料理を作った。手は傷だらけだ。しかしそれを正直に言うのは何だか憚られ、切嗣は黙りこむ。
それをどう受け取ったのか、綺礼は絆創膏を取ったところにあった切り傷を舐めた。

「……っ!なに、」
「愛しい」
「なにを言っているんだ、きみは」
「顔が赤いぞ」

綺礼の言葉通り、切嗣は赤くなって切り傷を舐められる度にびくりと震える。それを見て、綺礼は更に掌まで舐め出した。

「っ、やめ」
「む」

切嗣が手を押し返すと、綺礼は抵抗もせずに口を離した。珍しいの行動に、切嗣が訝しげな顔をすると綺礼は優しく微笑んだ。
唐突な笑顔に切嗣は胸に締まるような痛みを感じて、つくづく依存していると思うのだった。











20120121

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