ぱん!2!(154522)/1111 memo
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きみとぼくの主成分

「切嗣!大変よ!」
「っ、どうした!?アイリ!」

ある穏やかな昼下がり。自室にアイリが慌てた様子でいきなり飛び込んできた。ただ事ではない顔ですがるようにこちらを見て叫んだ。

「セイバーにーーーセイバーに男性器が生えちゃったの!」
「ーーーは?」

まさかアイリからそんな言葉が出るとは思いもよらず、軽く卒倒するところだった。セイバーに…男性器?一体何なんだ。いや、アイリがこんな嘘をつくとも思えないし、いや、でも…。うんうんと考え込んでいるとアイリはいいから!と無理矢理僕の腕を掴んで走り出した。



「セイバー!切嗣を連れてきたからもう大丈夫よ!!」
「ーーア、アイリスフィール…気にしないでくださいと私は…!」
「そんな苦しそうな貴方を放っておける訳がないでしょう!」

部屋に入ると、真ん中で苦しそうにうずくまるセイバーがいた。ハァハァと息を乱し、顔が赤いような気もする。そして僕に気付くと一睨みし、アイリに視線を移した。

「あのね、切嗣…私セイバーを回復させようと思って魔術を使ったんだけど何か間違えてしまったらしくて…気付いたらセイバーに男性器生えてるし、こんなに苦しそうにしてるし…」
「魔方陣を使ったのか?」
「ええ、これなんだけどーー」

アイリが指差す方向には魔方陣があり、それを確かめるために近づく。丹念に見ると回復魔術とは少し違ったものだった。

「ーーこれは…」
「何か、分かったかしら…」
「少し、面倒だ。催淫効果もあるらしい」
「だから、あんなに苦しそうに…」
「すまないアイリ、部屋を出てくれないか」
「え?」
「そして出来ればこの部屋に近づかないでほしい」
「…わかったわ」
「助かるよ」

大丈夫よ、と微笑みながら言い残してアイリは部屋を出る。僕が今からやることをわかっているのだろうか。
わかっていないと信じて、未だ苦しそうにうずくまるセイバーに近づく。セイバーは僕を見上げ、また俯いた。
ーーあまり、こいつとは話したくないんだが仕方ない。

「セイバー」
「っ…!?」
「その魔術を収めるには性欲を吐き出すしかない。お前自身が抜いてもいいがそれでは時間がかかる。聖杯戦が始まってしまっては元も子もないーーだから、抱け」
「え?」
「僕を抱け」

それしか方法はない。そう言って部屋のベッドに座る。セイバーは驚いて目を見開きこちらを見ていた。

「ーーよろしいのですか」
「さっさとしろ」

セイバーは立ち上がり、ベッドに歩み寄る。姿形は凛々しい女だが、下半身には自分と同じく禍々しい男の象徴があるのだと思うと複雑だ。
女ーーしかも自らのサーヴァントに抱かれるなどそんな経験、滅多にあるものじゃない。
いつのまにかセイバーは目の前に迫っていて、肩を押され押し倒される。ベッドの柔らかさにこれからすることの現実味が出てきて少し不快だった。







20120707

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