ぱん!2!(154534)/1111 memo
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▼参加ランクZERO/Fate腐
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戯れ言ばかりを繰り返す

※同棲言雁



小さく音を立てて目の前にココアの入ったカップが置かれた。手を伸ばして取ろうとしたが、入れたてで熱いそれに触った途端に手がピクリと震えた。

「はは、まだ熱いだろ」

笑いながらこたつの中にもぞもぞと間桐は入り込む。自分の分のココアを置いて、私のココアを引き寄せた。そしてふーふーと冷ますように息を吹く。

「はい」
「……」
「…何だよ」
「別に」

差し出されたココアを受け取って、一口含む。不服そうな間桐を見て少し笑みが漏れた。

「大人になってまでふーふーなんてする奴がいるとはな」
「なっ、別にいいだろ…!やってやったんだから感謝しろよ!」
「有難う」
「〜っ……」

素直にそう言うと、間桐は顔を背けてココアを飲んだ。一緒に居るようになって分かったことだが、こういう時の間桐は照れているらしい。しかし照れている顔が見えないのは残念だ。

「間桐」
「…なんだよ」
「顔を見せろ」
「…やだ」

どうしても見せたくないらしい。しかしここまで断られると逆に見たくなってしまう。そっと近くに行き、間桐の腰を引き寄せた。驚いたようだが、やはりこちらを向かない。

「はなせよ」
「嫌だと言ったら?」
「…どうもしない」

――お前を拒否するようなことはしない。モゴモゴと小さな声で間桐は言った。妙な所で素直な間桐につい声を出して笑う。

「なに笑ってんだよ」
「…いつもそうなら可愛げあるんだがな」
「…可愛げなんて求めてない」

ようやくこちらを向いた間桐はやはり真っ赤に照れていた。膨れっ面で不服そうに睨んでくる。素直じゃないが、むしろ可愛いんじゃないかと思えてきた。無意識に間桐の頭を優しく撫でてしまう。

「なんだよ…」
「何でもない」








20120408

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