3.
「はい!お待たせしました」
「おう。
……何だ?これ」
コーヒーと共に出されたもの。
パッと見パウンドケーキのような……。
「ん?
何だと思う?」
カウンター越しにヒカルがいたずらっぽく微笑む。
しかし剣人は甘いものが苦手だ。
朝からケーキなど食べられない。
でもヒカルがそんな嫌がらせのようなまねをするだろうか……。
考え込んでしまった剣人にヒカルはクスッと笑った。
「ごめんね剣人さん。
困らせちゃって」
「……ん?」
「よく見て。
これ、何だと思う?」
ヒカルが指差した先には、
そのケーキに埋まって焼かれた赤い……
「……トマトか?」
「そう!ミニトマトだよ」
ケーキにトマト?
剣人の頭の中には益々クエスチョンマークが並んだ。
「ふふ。
これね、ケークサレって言うんだよ」
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