9.
「今日は……悪かった」
帰り道に剣人が呟いた。
見上げるヒカルとは逆方向を見ている。
「修行が足りなかった……」
珍しく耳まで真っ赤だ。
「ううん、びっくりしたけど……」
ヒカルは不意に剣人の袖を掴む。
「ヒカル?」
「こんなにドキドキするの、
剣人さんとだけだから……」
ヒカルの剣人に負けないぐらい顔が紅潮するのを感じ、
その袖に額をピッタリ付けた。
そんなヒカルを見て、ふっと笑う剣人。
彼女の髪を優しく撫でた。
「じゃあ今度は2人だけの空間で……な?」
END
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