6.
上映時間になった。
劇場内の照明が落とされるのと同時に剣人はヒカルの右手を握った。
いつもの事だけど、
今日はいつもより距離が近いのでドキドキしてしまう。
綺麗な自然の風景から始まった映画。
この世界で2人きりと錯覚してしまう程だ。
本当にここに剣人と行けたらどんなに素敵だろう。
ヒカルはぼんやりとそんな事を思いながら、
映画の世界に引き込まれて行った。
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