5.
「あ……」
「予約しておいた」
剣人に連れられた席はカップルシートだった。
1番後ろではあるが、2人掛けのソファが仕切りで囲われていて、
座ってみると他からの視線を感じない作りになっている。
「わぁ!座ってみたかったの!」
はしゃいぐヒカルに剣人の笑みが溢れる。
「そうか」
「剣人さんも早く早く!」
ふかふかのソファに身を沈めるヒカルの横に座る。
2人用のソファとはいえカップルシート。
肩と肩が触れるばかりか、
互いに寄りかかるような姿勢になってしまう。
「悪いな。
俺がでけぇから狭くなっちまって」
「う……ううん!」
ヒカルは恥ずかしさを必死で隠した。
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