7.
魁斗は一瞬言葉を失った。
目を見開いて、喉はどんどん乾いていく。
ヒカルは俺ならいいって言うのか?
ヒカルが俺を求めているのか?
嬉しさと驚きで混乱して呼吸の仕方を忘れてしまいそうだ。
魁斗は深呼吸をしてヒカルを抱き寄せた。
鈍感なのは俺の方だ。
「じゃあ、行こうか……?」
意を決して出した声は掠れて震えてしまっていた。
そんな声を聞いてヒカルはようやく顔を上げてくれた。
少し目が潤んでいるものの、
魁斗と視線が合って微笑んでくれた。
「……はい」
抱いた腕を解くと、
手を繋ぐ前にヒカルが腕に抱き着いてきた。
少し照れ臭かったが、
嬉しくてまた唇を寄せた。
END
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