6.
ぐいっとヒカルを押したがヒカルは動かない。
「ヒカル?」
痛くしたから拗ねたのか?
俯くヒカルの肩を抱き、魁斗は顔を覗き込む。
すると……
「わっ!」
魁斗は突然襟元を引っ張られ、
気付いた時にはヒカルの唇が頬に触れていた。
「ちょっ……ヒカル?」
「ダメですか……?
うちに来るっていうのは……」
「だから俺は男で……」
「わたしっ……!」
魁斗の言葉を遮るヒカル。
顔を上げるが、
息を飲み込んだ後すぐにまた俯いてしまった。
だが、肩に置かれた魁斗の手を強く掴んだ。
「……いいです、魁斗さんなら」
魁斗さんと出会ってから、独りが寂しいんです。
だから一緒にいて欲しい。
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